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2014-06-27

「天(あま)」の意味

天(あま)

(「あめ」の古形といわれる)

ひろびろとした大空。あめ。

万葉集〔8C後〕一五・三六〇二
「青によし 奈良の都に たなびける 安麻(アマ)の白雲 見れど飽かぬかも〈作者不詳〉」

(美しい日本語の辞典)



天 天和通りの快男児 DVD-BOX





あま【天】

(アメの古形)

そら。てん。

万葉集(15)
あまの白雲」

(広辞苑)



あめ【天】

①(「くに」に対する)天空。

古事記(下)
「雲雀は天に翔(かけ)る」

・雲雀:
ひばり


②(「つち」に対する)大空。

万葉集(5)
「天へ行かば 汝(な)がまにまに 地(つち)ならば 大君います」


③ 天つ神、造物主のすむ所。高天原(たかまのはら)。天上界。

(広辞苑)

2014-06-26

「油を絞る」の意味

油(あぶら)を絞(しぼ)る

人の失敗や欠点を厳しく叱ってこらしめる。ぎゅうぎゅうという目に会わせる。とっちめる。あぶらを取る。油を取る時、しめ木にかけて押しつぶすところから。「先生に絞られた」などと、単に「絞る」のかたちでも使う。

生〔1908〕〈田山花袋〉三二
「それで、娘は母親からしたたか油を絞られて居るのである」

(美しい日本語の辞典)



叱るより聞くでうまくいく 子どもの心のコーチング





[慣]油を絞(しぼ)る

[解]

(1)金銭などを手に入れるのに苦しい思いをする。

(2)厳しく叱ってとっちめる。こっぴどく責める。

「さんざん油を絞られた

(広辞苑)



油を絞・る

しかったり責めたりしてきつく懲らしめる。

「たっぷり油を絞・られた

(明鏡国語辞典)



[慣用]油を絞る

・あいつの油を絞ってやる
I'll give him a hard time.

・さんざん社長に油を絞られた
The president gave me a real scolding [〘口〙 talking-to].

(プログレッシブ和英中辞典)



油を絞る

・宿題を忘れて先生にさんざん油を絞られた(=ひどくしかられた)。
〘話〙 My teacher gave me a good talking-to because I didn't do my homework.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-25

「油を売る」の意味

油(あぶら)を売(う)る

仕事を怠けてむだ話をする。また、仕事の途中で時間をつぶして怠ける。江戸時代、髪油を売り歩く者が婦女を相手に話し込みながら商ったところから。

滑稽本・浮世床〔1813~23〕初・上
「すてきと油(あぶら)を売(うっ)たぜ」

(美しい日本語の辞典)



大島椿





[慣]油を売る

[解](江戸時代、婦女に髪油を売る者が、ゆっくりと話し込んで商売をしたからいう)無駄話に時を過ごす。また、用事の途中で時間をつぶす。

(広辞苑)



油を売・る

仕事の途中でむだ話などをして怠ける。

「立ち寄り先で油を売る

▼ 江戸時代、髪油の行商人が婦女を相手に話し込みながら商いをしたことから。

(明鏡国語辞典)



[慣用]油を売る

waste time in idle conversation; dawdle

(プログレッシブ和英中辞典)



油を売る

・彼はよく立ち寄り先で油を売る
He often messes around at a place he calls by.

・どこで油を売っていたんだ。
Where 「have you been [were you] wasting your time?
〘略式〙Where 「have you been [were you] goofing off?

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-24

「油照り(あぶらでり)」の意味

油照(あぶらで)り

風がなく、薄日がじりじりと照りつけて蒸し暑い天候。八月前半に多い。あぶらひでり。夏の季語。

家族会議〔1935〕〈横山利一〉
「家中ではここが一番涼しいので、油照りのじりじりした暑中は、多く泰子はここにゐた」

(美しい日本語の辞典)



医者が教える熱中症対策





あぶら-でり【油照り】

空が薄曇りで風がなくじりじりと蒸し暑いこと。

〈[季]夏〉

(広辞苑)



あぶら-でり【油照り】

〘名〙

夏、風がなく薄日がじりじりと照りつけて、ひどく蒸し暑い天候。

(明鏡国語辞典)



あぶらでり【油照り】

あぶら汗がにじみ出てくるような暑さだが、空はうっすらと雲におおわれ、風はほとんどない天気。

気圧配置は南高北低の夏型となっていても、すぐ近くに前線があるときに多く、湿度が大で不快指数が高い。

(百科事典マイペディア)



あぶらでり【油照り】

muggy [sultry] weather

・油照りの日
a 「muggy [sultry] day

(新和英大辞典)

2014-06-23

「油雲(あぶらぐも)」の意味

油雲(あぶらぐも)

さかんに湧き起こる雲。

じゆりあの・吉助〔1919〕〈芥川龍之介〉三
「一団の油雲が湧き出でて、程なく凄じい大雷雨が、沛然(はいぜん)として刑場へ降り注いだ」

(補注)
漢語に「油雲(ゆううん)」があり、「文選 - 陸機」に「油雲翳高岑」とある。

(美しい日本語の辞典)



今の空から天気を予想できる本





はい-ぜん【沛然】

(1)盛大なさま。

(2)雨のさかんに降るさま。

沛然たる驟雨(しゅうう)」


しゅう-う【驟雨】シウ‥

急に降り出し、間もなく止んでしまう雨。にわかあめ。

(広辞苑)



はい-ぜん【沛然】

〘形動(トタル)〙

〔文〕雨が激しく降るさま。

沛然たる驟雨」

(明鏡国語辞典)

2014-06-22

「油がみへ火の付いたよう」の意味

油(あぶら)がみへ火(ひ)の付いたよう

ものをよくしゃべるさま。油に火の付いたよう。

ちなみに、「あぶらがみに水(みず)を注(そそ)ぐよう」といえば、油紙に水をかけても吸い込まないではじいてしまうことから、他人の言うことを全然聞き入れず、取り合わないことのたとえ。両方兼ね備えると始末に悪い。

(美しい日本語の辞典)



上沼恵美子のおしゃべりクッキング 日本一の絶品おかず





[慣]あぶらがみへ火(ひ)の付(つ)いたよう

油紙に火がつくと、ぺらぺら燃えるところから、ものをよくしゃべるさまのたとえ。油に火の付いたよう。

*歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(1873)序幕
「柄(え)のねえ所へ柄をすげて油(アブラ)っ紙(カミ)へ火(ヒ)がつくやうにべらべら御託をぬかしゃアがりゃア」

(精選版 日本国語大辞典)



あぶら-がみ【油紙】

(ユシとも)

桐油(とうゆ)または荏油(えのあぶら)をひいたコウゾ製の和紙。防水を目的をする荷造り用または医療用。桐油紙。

べらべらしゃべるさまを「油紙に火の付いたよう」という。

(広辞苑)



あぶらがみ【油紙】

oilpaper

・彼女は油紙に火がついたようにしゃべりまくった。
She prattled on endlessly [like a house afire].
She was talking a mile a minute.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-20

「油風(あぶらかぜ)」の意味

油風(あぶらかぜ)

晩春の温暖な日和に南ないし南西から吹く風。主として、東海、近畿、瀬戸内海で船人が用いる。

あぶらまじ。あぶらまぜ。

《季・春》

(美しい日本語の辞典)



瀬戸の島旅 しまなみ海道+17島めぐり





あぶらかぜ【油風】

油まじ、油まぜとも。

油を流したような静かな風ということだが、まじは南寄りの風を示す。晩春の穏やかな晴天の日に吹いている風のこと。


まじ

〈まぜ〉とも。

真風とも書き、良い風の意味で、太平洋岸の各地で春から夏にかけて吹く南寄りの季節風をさす。

桜まじ、油まじ(油風)、日和(ひより)まじ等という表現もある。

(百科事典マイペディア)



まじ【真風】

〔太平洋岸で吹く南寄りの季節風〕

a southerly breeze

(新和英大辞典)



ばん-しゅん【晩春】

(1) 春の末。⇔ 早春。

(2) 陰暦3月の異称。〈[季]春〉

(広辞苑)



ばんしゅん【晩春】

late spring

・晩春のころ
late in spring

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-19

「阿鼻叫喚(あびきょうかん)」の意味

阿鼻叫喚(あびきょうかん)

非常な惨苦に陥って、号泣し救いを求めるさま。

「阿鼻」「叫喚」はともに仏教でいう八大地獄の一つ。そのうち阿鼻地獄は無間(むげん)地獄ともいい、生前最も重い罪を犯した者が落とされるという最悪の地獄で、そこに落ちた者の泣き叫ぶさまからきたことば。

黒い雨〔1965〕〈井伏鱒二〉
「幾十万にも及ぶ広島在住の無辜(むこ)の民を一瞬にして阿鼻叫喚の地獄に晒(さら)したということであります」

(美しい日本語の辞典)



アヴィーチー - ティム





あび-きょうかん【阿鼻叫喚】‥ケウクワン

〔仏〕

(1)阿鼻地獄の苦に堪えられないで泣き叫ぶさま。

(2)転じて、甚だしい惨状を形容する語。

阿鼻叫喚の巷と化す」

(広辞苑)



あび-きょうかん【阿鼻叫喚】-ケウクヮン

〘名〙

悲惨な状況に陥って泣き叫ぶこと。

「事故現場は阿鼻叫喚の巷(ちまた)と化した」

▼ 本来は、阿鼻地獄と叫喚地獄の意。

(明鏡国語辞典)



あびきょうかん【阿鼻叫喚】

shrieking in agony

・事故の現場はまさに阿鼻叫喚の巷(ちまた)と化した。
The scene of the accident was simply hell.

(プログレッシブ和英中辞典)



あびきょうかん【阿鼻叫喚】

Avici and Raurava, two of the eight burning hells in Buddhism.

・阿鼻叫喚の巷(ちまた)
the veriest hell;
simply hell;
a (veritable) pandemonium

・機内は一瞬にして阿鼻叫喚の巷と化した。
In an instant all hell broke loose inside the plane.

(新和英大辞典)

2014-06-18

「あばら屋」の意味

あばら屋(や)

荒れ果てた家。廃屋。破れ屋。自分の家をへりくだって言う際にも用いる。「あばら」は隙間の多いさまをいう古語。

燗〔1913〕〈徳田秋声〉六
「ごらんの通りの廃屋(あばらや)で、・・・私も悉皆(すっかり)零落(おちぶ)れてしまひましたよ」

(美しい日本語の辞典)



世界でいちばん美しい廃墟





あばら-や【荒屋】

(1)荒れはてた家。自分の家の謙称としても用いる。

源氏物語(澪標)
「人知れぬあばらやに」

(2)休憩所として設けた四方の囲いのない小さな建物。四阿(あずまや)。亭(ちん)。あばら。

(広辞苑)



あばら-や【荒ら屋・荒ら家】

〘名〙

荒れはてた粗末な家、また、自分の家を謙遜(けんそん)していう語。

「こんなあばらやによくいらっしゃいました」

▼ 「あばら」はすき間が多いの意。

(明鏡国語辞典)



あばらや【荒屋・荒家】

(1)〔荒れた家〕
a tumble-down house; a dilapidated house

(2)〔謙遜(けんそん)して, 自分の家〕
my tumble house

(プログレッシブ和英中辞典)



あばらや【荒ら屋】

〘むさ苦しいぼろ家〙
shabby house

〘掘っ立て小屋〙
shack

・海辺に吹きさらしのあばらやが建っていた。
A weather-beaten shack stood beside the sea.

・その家はあばらやのようだった
That house looked shabby.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-17

「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」の意味

痘痕(あばた)も靨(えくぼ)

ほれていると相手の欠点も欠点とは見えないで、長所のように見えるものだということ。また、ひいき目で見れば醜いものも美しく見える意にいう。

好きになると相手のあばた(天然痘が治ったあと皮膚に残る跡)でもえくぼのように見える意から。

天然痘
高熱とともに赤い発疹が出て膿疱(のうほう)となり、後にそれが瘢痕(はんこん)化してあばたになる病気だが、WHO(世界保健機関)によって、1979年に根絶が宣言された。

(美しい日本語の辞典)



肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法 - 美肌には化粧水もクリームもいりません





[慣]痘痕も靨(えくぼ)

[解]好きになると欠点まで好ましく見える意。

(広辞苑)



あばたも靨(えくぼ)

ほれてしまえば、相手の欠点も長所のように見えるものだ。

(明鏡国語辞典)



あばた【痘痕】

a pockmark (▼ 通例複数形)

・あばた面
a pockmarked [pocked] face

・あばたもえくぼ
〘諺〙Love is blind

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-16

「あに図らんや」の意味

あに図(はか)らんや

思いがけないことには、の意。

「あに・・・や」は「どうして・・・しようか、いや、・・・しない」という反語の意を表す。

次に来る文で表現される事態が予想外の時に使う。

落語・お節徳三郎 恋の仮名文〔1889〕〈禽語楼小さん〉
「今まで好(い)いお天気と思ひきや豈図(あにはか)らんやズイと曇って来やした」

(美しい日本語の辞典)



ゼロから分かる!図解落語入門





[慣]豈図らんや

[解]どうしてそんなことを予測しようか。意外にも。思いがけず。

(広辞苑)



豈図(はか)らんや

意外にも。

豈図らんや彼が犯人であったとは」

▼ どうしてそんなことが思いつこうかの意から。

(明鏡国語辞典)



あにはからんや【豈図らんや】

一体、だれがそうなることを予期しただろうか、意外にも。 

(新明解国語辞典)



あにはからんや【豈図らんや】

・ためしにその大学を受けてみたら、あにはからんや、合格してしまった。

I just took the entrance exam for that university with no expectation of passing, but 「contrary to my expectations [to my great surprise], I passed.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-15

「穴場(あなば)」の意味

穴場(あなば)

人が見過ごしているよい場所。よい行楽地や店などで人にあまり知られていないところをいう。

青べか物語〔1960〕〈山本周五郎〉水汲みばか
「釣りの穴場を知っている点では」

(美しい日本語の辞典)



福岡 路地に隠れたうまい店





あな-ば【穴場】

人が見のがしている恰好(かっこう)の場所。

「釣りの穴場

(広辞苑)



あな-ば【穴場】

〘名〙

(1)利益・獲物などが多いが、まだ一般には知られていない所。

「釣り[行楽地]の穴場

(2)〔俗〕競馬・競輪などで、投票券の売り場。

(明鏡国語辞典)



あなば【穴場】

an exellent place not many people know about

・よく釣れる穴場
a great spot for fishing

・ニューヨークの穴場を彼に案内してもらった
He took me to some little-known hot spots in New York.

・この温泉[店]は穴場である
This hot spring resort [This shop] is a real find.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-14

「あなぜ」の意味

あなぜ

(「あな」は感動詞、「せ」は風の意)

西北風。しばしば船を苦しめる悪い風。吹いたあとは平穏となるともいう。あなじ風(かぜ)。

《季・冬》

歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語〔1770〕口明
西北風(あなせ)かと思やまぜなり」

(美しい日本語の辞典)



あの頃映画「野口五郎 季節風」





あなじ

冬、北西から吹く風。しばしば航行の妨げとなる。あなぜ。

〈[季]冬〉

後拾遺和歌集(旅)
あなじ吹く 瀬戸のしほあひに 舟出して」


あなじ-け

あなじが吹いて来て、雪・雨などを催すけはい。

堀河百首(冬)
あなじけの 雪より先に たきぎこりつむ」

(広辞苑)



あなじ

あなし、あなぜとも。主として西日本で冬の北西季節風のことをいう。

(百科事典マイペディア)



きせつふう【季節風】

〘海〙
a periodic wind
a seasonal wind

〔インド洋の〕
a monsoon

・日本海側の冬は季節風のため降雪量が多い。
In winter the prevailing winds bring heavy snows to the Japan Sea side.

・反対季節風
〘気象〙 an antimonsoon

・季節風気候
〘気象〙 a monsoon climate

(新和英大辞典)

2014-06-13

「穴があったら入りたい」の意味

穴(あな)があったら入(はい)りたい

穴に身を隠してしまいたいほどの恥ずかしさを感じているさま。失敗などをして、強い恥ずかしさを感じていることを表す表現。

(美しい日本語の辞典)



恥をかくのが死ぬほど怖いんだ。





[慣]穴があれば入りたい

[賈誼(かぎ)新書(審微)]
恥じいって身を隠したいほどに思う。

(広辞苑)



[慣用]穴があったら入りたい

・恥ずかしくて穴があったら入りたいぐらいだ

I'm so embarrassed that I wish the earth would swallow me up.

(プログレッシブ和英中辞典)



穴があったら入りたい

・みんなの前で恥ずかしいまねをしてしまって、穴があったら入りたい

I behaved quite shamefully in public and I wish the ground would (open and) swallow me up.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-12

「後の白波」の意味

後の白波(あとのしらなみ)

舟の航跡として残る白波のことで、はかない情趣、また、はかないもののたとえ。

「万葉集 - 三・三五一」の沙弥満誓(しゃみまんせい)の歌の異伝である、「拾遺和歌集 - 哀傷・一三二七」の「世の中を 何にたとへむ 朝ぼらけ 漕ぎゆく舟の あとのしら浪」による表現。

(美しい日本語の辞典)



薩摩酒造 さつま白波 芋焼酎 白波五人男 飲み比べセット





しら-なみ【白波・白浪】

(1)白く泡立つなみ。

(2)(「白波(はくは)の賊」の「白波」を訓読したもの)盗賊の異称。


しらなみ-の【白波の】

〘枕〙「よる」「かへる」などにかかる。


しらなみ-もの【白浪物】

盗賊を主人公とする歌舞伎狂言などの総称。講談の松林(しょうりん)伯円、歌舞伎の河竹黙阿弥が得意とした。「白浪五人男」「白浪五人女」「三人吉三」「鼠小僧」の類。

(広辞苑)



しら-なみ【白波(白浪)】

〘名〙

(1)泡だって白く見える波。また、白くくだけた波。

(2)盗賊。どろぼう。

白浪五人男」

▼ 『後漢書』にある「白波賊(はくはぞく)」にちなむ語。

(明鏡国語辞典)



しらなみ【白波・白浪】

white [whitecapped] waves

〘米〙whitecaps
〘英〙white horses

・海は白波が立っている
There are whitecaps on the sea.

・舟が白波をけたてて走っている
A ship is sailing over the white waves.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-11

「後釜(あとがま)」の意味

後釜(あとがま)

かまどに、残り火があるうちに次の釜をかけること。また、その釜。

転じて、前人の退いたあとの地位。また、その地位につく人。後任。特に後妻をいうことも多い。

後釜に据える」「後釜に納まる」 などの形でよく使う。

(美しい日本語の辞典)



南部鉄釜 釜飯セット1合炊 A-80





あと-がま【後釜】

(火種が絶えないうちに次にかける釜の意)

(1)前任者のかわりにつく地位。また、その地位につく人。後任者。

後釜にすわる」

(2)後添いの妻。後妻。

(広辞苑)



あと-がま【後釜】

〘名〙

後任としてその地位につくこと。また、その人。

「会長の後釜にA氏が座る」

▼ もと、火種が絶えないうちに次にかける釜の意。

(明鏡国語辞典)



あとがま【後釜】

(1)〔後任〕a successor (to)

・人の後釜に座る
succeed to a person's post

・田中の後釜に鈴木を据えた
They put Suzuki in Tanaka's place.

・彼は田中氏を陥れ、さっさと自分が後釜に座った
He engineered Mr. Tanaka's downfall and then took over his position.


(2)ごさい(後妻)
one's second wife

・彼は後妻を迎えた
He married again.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-10

「当て馬(あてうま)」の意味

当て馬(あてうま)

めす馬の発情の有無をしらべるために、おす馬を近づけてみること。また、そのおす馬。転じて、相手の様子を探るために仮の者を表面に出すこと。また、その者。

秋の一夜〔1954〕〈中野重治〉
「選挙に木村を立ててアテ馬に使う」

(美しい日本語の辞典)



馬のきもち HOW TO THINK LIKE A HORSE





あて-うま【当て馬】

(1)牝馬の発情を検査し、あるいは促すための牡馬。

(2)転じて、優勢な者を牽制するために、仮に推し立てた者。

当て馬候補」

[慣]当て馬にする
[解]自己の野心を隠しておき、表面的には他の人をその位置に推す。

(広辞苑)



あて-うま【当て馬】

〘名〙

(1)めす馬の発情の有無を調べるために近づけるおす馬。

(2)相手の様子を探るために仕立てられたかりの者。

当て馬候補」

(明鏡国語辞典)



あてうま【当て馬】

[I]〔種付け前にあてがわれる雄馬〕
a teaser; a stallion used to test the readiness of a mare to mate

[II]〔相手の様子を探るためだけの対抗者〕

・当て馬候補
((be)) a stalking-horse ((for a person))

・彼は当て馬候補に過ぎない
He announced his candidacy only to test the waters for another potential candidate. / He's not a serious candidate, just a spoiler.

・彼を先発メンバー表に当て馬として入れて相手チームの出方を探った
They entered him on the list of starters to test the other team's reaction.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-09

「羹に懲りて膾[韲]を吹く」の意味

羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)[韲(あえもの)]を吹(ふ)く

一度の失敗にこりて、必要以上の用心をするたとえ。熱かった吸い物にこりて、膾や韲物のような冷たい料理も吹いてさます意から。

出展は「楚辞 - 九章」から。

虞美人草(ぐびじんそう)[1907]〈夏目漱石〉一五
羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹(ふ)くは、株(しゅ)を守って兎(うさぎ)を待つと、等しく一様の大律(たいりつ)に支配せらる」

(美しい日本語の辞典)



味噌汁専門店のおかず味噌汁100





[慣]羹に懲りて膾(なます)を吹く

[解]羹の熱いのにこりて、冷たい膾をも吹いて食う。一度失敗したのにこりて無益な用心をする。羹に懲りたる者韲(あえ)を吹く。

(広辞苑)



羹に懲(こ)りて膾(なます)を吹く

失敗にこりて、必要以上に用心深くなる。

▼ 熱かった羹にこりて膾のような冷たい料理も吹いて冷ます意からいう。

(明鏡国語辞典)



あつもの【羹】

hot soup [broth]

・羹に懲りて膾 (なます) を吹く
〘諺〙Once bitten, twice shy. / A burnt child fears the fire.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-08

「暑さ寒さも彼岸まで」の意味

暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)

残暑のきびしさも秋の彼岸ともなればめっきり衰え、余寒のきびしさも春の彼岸頃にはいちだんと薄らぐものだの意。

暑い寒いも彼岸まで。

「彼岸」は仏教語で、ここでは春分・秋分の日の前後七日間にわたり行われる彼岸会(ひがんえ)のころのことをいう。

(美しい日本語の辞典)



二十四節気に合わせ心と体を美しく整える - 医者にも薬にも頼らない和の暮らし





[慣]暑さ寒さも彼岸(ひがん)まで

[解]春秋の彼岸を境として、寒暑それぞれ衰えて、よい気候になる。

(広辞苑)



暑さ寒さも彼岸まで

Neither heat nor cold lasts until the equinox (days).

・equinox:
春[秋]分、昼夜平分時、〘天〙分点

(ウィズダム和英辞典)

2014-06-07

「あっけらかん」の意味

あっけらかん

ぽかんとしているさま、放心状態にあるさまや、あるべき物事がなく、空虚な感じがするさまを表す。

また、ある人物に、常識的・道徳的に考えれば当然あるはずの屈託やためらい、恥じらいといった感情がなく、平然をしているさまを表す。

自弔の鐘〔1975〕〈野坂昭如〉あっけらかん
「『何かわるいことをしてみませんか』『わるいことねえ、やってみてもいいけど、どんなことがありますか』京野、しごくあっけらかんといった」

(美しい日本語の辞典)



あきれた紳士の国イギリス





あっけら-かん

事の意外さにあきれて、ぽかんとしたさま。また、少しも気にせずけろりとしたさま。あけらかん。あけらぽん。

(広辞苑)



あっけらかん-と

〘副〙

(1)驚きあきれて(口を開けて)ぼんやりしているさま。

「事の急変をあっけらかんと眺める」


(2)部屋などががらんとしているさま。

あっけらかんとした広間」


(3)何もなかったように平気でいるさま。また、開放的でのびのびしているさま。

「しかられてもあっけらかんとしている」

あっけらかんとした性格」

(明鏡国語辞典)



あっけらかん(と)

あっけらかんとしている

〔ぽかんと〕
look blank [absentminded]

〔こだわりのない〕
be carefree

〔けろりとして〕
look unconcerned

・大切な書類をなくしたのにあっけらかんとしている。
He lost some important papers, but he still looks (as cool) as if nothing had happened.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-06

「圧巻(あっかん)」の意味

圧巻(あっかん)

書物の中でいちばんすぐれた箇所。他を圧倒するほどすぐれた詩文。昔、中国の科挙(官吏登用試験)で、及第者のうちの最優秀者の答案を他の答案の上に載せたところから。

現在では、物事の全体の中で最もすぐれた部分の意で使うことが多い。「今日の試合、圧巻は七回表のピッチングだった」など。

(美しい日本語の辞典)



科挙 - 中国の試験地獄





あっ-かん【圧巻】‥クワン

(「巻」は、昔、中国で官吏登用試験の答案。最優等のものを一番上に乗せたのに基づく)

書物の中で最もすぐれた部分。他にぬきんでた詩文。転じて、全体の中で最もすぐれた部分。

「この作品が、出品中の圧巻だ」

(広辞苑)



あっ-かん【圧巻】-クヮン

〘名〙

書物・劇・楽曲などの中で、最もすぐれている部分。また、勢ぞろいしたものの中で最もすぐれているもの。出色(しゅっしょく)。

「終楽章のカデンツァの部分が圧巻だ」

「とりわけ彼の研究発表が圧巻だった」

[語源]
昔、中国で最もすぐれた巻(=官吏登用試験の答案)を他のすべての答案の上に載せたことからいう。

[表記]
「圧観」は誤り。

(明鏡国語辞典)



あっかん【圧巻】

〔最高の部分〕
the best part

〔呼び物〕
the highlight

・彼の演説は大会の圧巻だった
His speech was the best part of the convention.

・このアリアは今夜のオペラの圧巻だ
This aria is the highlight of tonight's opera.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-05

「厚かましい」 の意味

厚(あつ)かましい

恥知らずで遠慮がない。ずうずうしい。厚顔である。

「厚皮(あつかわ)な」の形で用いられる形容動詞と意味が共通するが、両者のつながりははっきりしていない。

あるいは、「やかまし」「せせかまし」「ねだりがまし」「色がまし」などへの類推・牽引を想定しうるか。

(美しい日本語の辞典)



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あつ-かまし・い【厚かましい】

〘形〙

[文]あつかま・し(シク)

恥を恥とも思わない。ずうずうしい。厚顔である。

厚かまし・い態度」

厚かまし・いお願いですが」

(広辞苑)



あつ-かまし・い【厚かましい】

〘形〙

恥知らずで遠慮や慎みがないさま。ずうずうしい。

「ずかずか上がり込むなんて厚かましいったらないわ」

厚かまし・くもしゃしゃり出る」

厚かましいお願いで恐縮ですが・・・」

[派生] -げ / -さ

(明鏡国語辞典)



あつかましい【厚かましい】

〔鉄面皮の〕
brazen-faced

〔無礼で生意気な〕
impudent, 〘口〙cheeky

〔僭越な〕
presumptuous

・厚かましいやつだ
He's a brazen-daced fellow.

・厚かましくも・・・する
be impudent [shameless] enough to do
〘口〙have the cheek [nerve/gall] to do

・なんて厚かましい
How impudent!
What nerve!

・厚かましいとは思いますが・・・
I'm afraid it's too much to ask, but...

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-04

「あちゃらか」の意味

あちゃらか

深い意味もない、こっけいなしぐさや、にぎやかなふるまいで観客を笑わせる芝居。

オペラを換骨奪胎したもので、昭和の初年流行した。

どたばた喜劇。ナンセンス喜劇。

「あちら(西洋)か(化)」の変化した語という。

古川ロッパ日記 - 昭和九年〔1934〕五月三〇日
アチャラカにして笑はすには余りリアルだし、まじめにやっちゃ笑はせようもなし、いやんなる」

(美しい日本語の辞典)



古川ロッパ昭和日記・下司味礼賛





あちゃらか

(「あちら(西洋)か(化)」の転という)

ごく日常的なことを材料としながら、笑いを誘うような、ばかふざけをすること。

あちゃらか芝居」

(広辞苑)



あちゃらか

〘名〙

深い意味もないこっけいなせりふやしぐさで笑わせる芝居。どたばた喜劇。ナンセンス喜劇。

▼ 「あちら(=西洋)化」の転という。

[表記]「アチャラカ」と書くことが多い。

(明鏡国語辞典)



あちゃらか

〔にぎやかなドタバタ喜劇〕
acharaka
slapstick comedy

・この本は、いわば、漱石の「わが輩は猫である」のあちゃらか版だ。
This book is a sort of 「comic [comical, farcical] version of Soseki's I Am a Cat.

・浅草はあちゃらか(喜劇)の本場だった。
Asakusa was where 「acharaka [slapstick comedy] started.

Asakusa 「was [used to be] the place (to go) for acharaka.

(新和英大辞典)

2014-06-03

「あたりを払う」の意味

あたりを払(はら)う

他を近くに寄せ付けないこと。そこから、美麗、威厳などで周囲を威圧するさま、堂々としているさまに使う。

平家物語〔13C前〕一一・能登殿最期
「鎧の草摺(くさずり)かなぐりすて、胴ばかりきて大童(おほわらは)になり、大手をひろげて立たれたり。凡(およそ)あたりをはらてぞ見えたりける」

(美しい日本語の辞典)



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[慣]辺りを払う

[解]周囲の者を近づけない。また、周囲を威圧する。

宇治拾遺物語(14)
「ゆめゆめ女人に近づくことなかれ。辺りを払ひて馴るることなかれ」

「威風、辺りを払う

(広辞苑)



あたり-を-はら・ふ(-ハラ (ロ) ウ)【辺りを払ふ】

(1) 周囲に人を近づけない。

(2) 近寄れないほど威勢がある。他を威圧する。

[平家]11・能登殿最期
「およそ辺りを払・っ(促音便)てぞ見えたりける」

[訳](能登殿の姿は)おおかた他を圧倒して見えたことだ。

(全訳古語辞典)

2014-06-02

「当たりめ(あたりめ)」の意味

当たりめ(あたりめ)

鯣(するめ)をいう。

「するめ」の「する」が「すりへらしてなくす」意の動詞と同音であるのをきらって、商家、興行界などでいう語。

このように本来の語の縁起の悪さをきらって代用として用いることばを「忌(いみ)言葉」といい、他に「ありのみ(梨のこと)」「お開き(終わりのこと)」などがある。

(美しい日本語の辞典)



一度は食べていただきたい おいしいあたりめ





あたり-め【当りめ】

鯣(するめ)の忌詞(いみことば)。

(広辞苑)



あたりめ【当タリめ】

a dried cuttlefish

(ウィズダム和英辞典)

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