もとは「あくがる」で、本来いるべき場所を離れてさまようことをいった。
転じて、心が対象にひかれてさまよい出て行くような感じ、すなわち、何かに心がひかれて思いこがれることをいうようになった。
「あこがれの的」といえば、理想として思いを寄せる対象のこと。
(美しい日本語の辞典)
▷ 憧れは、パリジェンヌの部屋。
あこが・れる【憧れる】
(アクガルの転)
1. さまよい出る。
太平記(4)
「虎伏す野辺、鯨の寄る浦なりとも、あこが・れぬべき心地しけれども」
2. 物事に心が奪われる。
太平記(6)
「宮は又南山の道なき雲に踏み迷はせ給ひて、あこが・れたる御住居と聞ゆれど」
3. 気をもむ。
浄瑠璃、大教師昔歴
「打たんともがく杖の下、母はあこが・れ火を吹消し、娘を袖に押し囲ひ」
4. 思いこがれる。理想として思いを寄せる。
「都会にあこが・れる」
「女優にあこが・れる」
(広辞苑)
あこが・れる【憧れる(憬れる)】
〘自下一〙
理想とする物事・事物や人などに強く心をひかれる。特に、強い思慕の念を抱く。憧憬 (どうけい)・(しょうけい) する。
▼ 語法
もと「異国情調をあこがれる」のように他動詞にも使った。
▼ 表記
「〈憧憬〉れる」とも当てる。
▼ 文
あこが・る(下二)
▼ 名
憧れ
(明鏡国語辞典)
あこがれる【憧れる】
1. 〔そうしたい・そのようになりたいと思う〕
long (for, to do);
yearn (for, after)
・彼は海にあこがれている
He has a longing for the sea.
・甥 (おい) はパイロットにあこがれている
My nephew longs to be a pilot.
・まぶたの母にあこがれていた
She yearned for the mother who lived in her memory.
・若い人は大都会にあこがれるものである
Young people tend to be attracted by [((口)) hanker after] big cities.
2. 〔異性にひかれる〕
・女の子たちはみんなそのテニスコーチにあこがれている
All the girls have a crush on the tennis coach.
異性に対して long for, yearn for と言うと、恋い焦がれる意になる
(プログレッシブ和英中辞典)
▷ 憧れのクラシックカースタイル100
あこがれる【憧れる】
〘自分のものにしたい〙
long 「for O/to do
〘賞賛する〙
admire
〘入手しがたいものに〙
《文》yearn for
・結婚にあこがれている
long to marry
・田舎の生活にあこがれる
long [have a longing] for the country life
・私は作家の村上春樹にあこがれている。
I admire the writer Murakami Haruki.
・宇宙飛行士にあこがれる
「dream of being [have a dream to be] an astronaut
・彼女はそのロックスターにあこがれている。
She idolizes that rock star.
・僕は恵子にひそかにあこがれていた。
I was a secret admirer of Keiko.
・彼女は新たな生活にあこがれていた。
She yearned for a brand new life.
(ジーニアス和英辞典)