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2011-10-13

「青嵐(あおあらし)」の意味

「青嵐(せいらん)」を訓読した語。

初夏の青葉を吹き渡る風。《季・夏》


「青嵐(せいらん)」

新緑の頃、青葉の上を吹きわたる風。薫風。青嵐(あおあらし)。

平家物語[13C前]三・有王(ありおう)
「白雲跡を埋んで、ゆき来の道も定かならず。青嵐夢を破って、その面影も見えざりけり」

(美しい日本語の辞典)



新選組 幕末の青嵐





「晴嵐(せいらん)」を訓読した語。

青葉の茂るころに吹くやや強い風。


「青嵐(せいらん)」

1. (「嵐」は山気の意)青々とした山気(やまけ)。

平家物語(3)「青嵐夢破つて、その面影も見えざりけり」

2. 青葉を吹き渡る風。薫風(くんぷう)。

(広辞苑)



a breeze blowing through green leaves; a fresh early-summer breeze

(プログレッシブ和英中辞典)



あおあらし【青嵐】

a slightly fresh wind blowing through verdure in early summer

▶ fresh は wind を形容すると「強い」の意味になる。

(新和英大辞典)

2011-10-12

「あえの風」の意味

日本沿海に、4月から8月にかけて吹く、夏のそよ風のことをいう。

(美しい日本語の辞典)



るるぶ福井 越前 若狭 恐竜博物館





あい-の-かぜ【あいの風】

〘名〙

[1]
東風のこと。おもに、越(こし)地方(現在の福井県から新潟県に至る)で言った。あゆのかぜ。《季・夏》

*催馬楽(7C後-8C)道の口
「道の口 武生(たけふ)の国府(こふ)に 我はありと 親に申したべ 心安比乃加世(アヒノカゼ)や さきむだちや」

・催馬楽:
さいばら


[2]
東西と南北の二つの基本方位の間から吹いてくる風。〔日葡辞書(1603-04)〕


[3]
北西風。

*和訓栞(1777-1862)
あゆのかぜ 〈略〉 今越前にて戌亥の風をあひの風といふとそ」

・和訓栞:
わくんのしおり

・戌亥:
いぬい(北西)

(精選版 日本国語大辞典)



あいのかぜ【あいの風】

夏の穏やかな北風をいい、日本海沿岸地方で広く用いられる言葉。

(百科事典マイペディア)

2011-10-11

「あえか」の意味

古くは、容姿や気持ちなどが弱々しいさま、かよわくなよなよとしたさまをいい、ふつう若い女性に関して用いられた。

明治30年代になって与謝野晶子などにより、自然の景物や光、音、夢、希望などのはかなげで美しいさまに対して、短歌などで使われるようになって広まった。

晶子新集 [1917] 〈与謝野晶子〉
「冬枯れの 木立あえかに なまめかし 後に朝の 歩み寄る時」

(美しい日本語の辞典)



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かよわく、なよなよとしたさま。たよりないさま。

源氏物語・帚木(ははきぎ)
「艶にあえかなるすきずきしさのみこそをかしくおぼさるらめ」

あえかな花」

(広辞苑)



[形動]

かよわいさま。

あえかに匂う桜花」

美しいものとみなして言う。

(明鏡国語辞典)



あえか

〜な
willowy; helpless and pretty

〔かすかな〕
faint

・あえかな星の光を頼りに砂丘を歩く
walk through a desert with only the faint light of the stars to guide one

・あえかに美しい
fragilely [delicately] beautiful

(新和英大辞典)

2011-10-01

「阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)」の意味

「阿吽」は密教の言語観で、初めと終わりの意味。

「阿」は悉曇(しったん)十二母音の最初の音で開口音を、「吽」は最後の閉口音をいう。

寺院山門の仁王や狛犬などの一対に見られる、一方を口を開き、一方は口を閉じている相はそれを現したもの。

「阿吽の呼吸」は吐く息と吸う息、呼吸の出入りのことで、相撲の仕切りなど、二人以上が一緒にある物事をするときの、相手の微妙な調子、気持ち、またそれがぴったりと一致することをいう。

(美しい日本語の辞典) 



ともに一つの事をするときなどの相互の微妙な調子や気持ち。とくに、それが一致することをいう。

(広辞苑)



阿吽の呼吸

口を開いて息を出す「阿」、息を吸って口を閉じる「吽」から、気息の出入りを「阿吽」という。

相撲の立ち会いは、吐く息・吸う息・止まる息といって、息を吐いたあと、七、八分ほど吸込んで止め、その一瞬に立つものとされているが、立ち会いで呼吸を合わせることを「阿吽の呼吸」という。

(ブリタニカ国際大百科事典)



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・両者の阿吽の呼吸が合っている。
They are on the same wavelength. / Their minds  work the same way [run in the same channels].

・阿吽の呼吸で答えた。
He responded immediately [without hesitation] (as if he had anticipated my question).

(プログレッシブ和英中辞典)



あうん【阿吽】

◆ あうんの呼吸(絶妙のタイミング)
perfect timing in a collaboration

・空中ブランコのチームはあうんの呼吸が必要だ。
A flying trapeze team needs to be on the same wavelength.

(ウィズダム和英辞典)

2011-09-25

「相身互い(あいみたがい)」の意味

同じ悪い境遇や身分の人が、互いに同情し合い、また助け合うこと。また、そのような間柄の者。

「武士は相身互い」などといった。

俳諧・おらが春 [1819]
「喧嘩すな あひみたがひの 渡り鳥」

(美しい日本語の辞典) 



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相身互身(あいみたがいみ)の略

同じ境遇や身分の者は互いに同情し合い助け合うべきであるということ。

(広辞苑)



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・心配するな。困ったときは相身互いだ。
Don't worry. In times of trouble we can depend on each other.

・相身互いとはいうものの、そう頼られてはこちらも困る。
I know we've promised to help each other, but when you rely on me all the time like that it's hard for me.

(プログレッシブ和英中辞典)



あいみたがい【相身互い】

・失業しているときは相身互いだ(=助け合うべきだ)。
When we are out of work, we should help each other.

(ウィズダム和英辞典)

2011-09-23

「相棒(あいぼう)」の意味

一緒に物事をする相手、また、いつも行動を共にする仲間をいう。元来は、駕籠(かご)や、もっこなどの前後をかつぐ相手の人をいった。

(美しい日本語の辞典) 



1. 一つの駕籠(かご)や畚(もっこ)などを一緒にかつぐ相手の者。相肩。

2. ともに事をする人。なかま。「仕事の相棒」

(広辞苑)



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a partner

(口) a sidekick
(犯罪の) an accomplice

・商売の相棒
a partner in business
a business partner

・スミス氏を相棒に商売をした。
He did business in partnership with Mr. Smith.

(プログレッシブ和英中辞典)



あいぼう【相棒】

〘仕事・競技などの〙
one's partner

〘仲間〙《略式》
buddy

〘仕事の〙
one's co-worker

・スリの相棒
[=共犯者] a pickpocket partner

・仕事が終わった後、相棒とよくバーへ行く。
After work I often stop in at a bar with my buddy.

(ジーニアス和英辞典)

「愛別離苦(あいべつりく)」の意味

仏教で八苦の一つ。

親子・兄弟姉妹・夫婦など、愛する人と別れる苦しみ。

元来は仏教用語であるが、江戸時代になると恋する男女の間に関して使われるなど、仏教思想との直接的な関連のあまりない例も見られるようになる。

(美しい日本語の辞典) 



親・兄弟・妻子など愛するものと生別・死別する苦しみ。

八苦の一つ。

(広辞苑)



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あいべつりく【愛別離苦】

〔仏教で〕
八苦の一つ。愛する人と別れわかれになる苦しみ。

[表記]
俗に、「哀別離苦」とも書く。

(新明解国語辞典)



あいべつりく【愛別離苦】

《文》 the 「agony [anguish] of separation

・愛別離苦は世の習い。
Having to part from one's loved ones is unavoidable.

(新和英大辞典)



愛別離苦(あいべつりく)
愛する人と別れる苦



怨憎会苦(おんぞうえく)
憎い人に会う苦 [仏教]

(三省堂 反対語便覧)

2011-09-22

「逢い引き」の意味

愛し合っている男女が示し合わせて合うこと。特に男女が人目をしのんで会うこという。

かつてラフマニノフ作曲のピアノ協奏曲第二番を効果的に使ったデビッド・リーン監督、シリア・ジョンソン、トレバー・ハワード主演の「逢びき」(1945年)という映画があった。

真景累ヶ淵[1869 頃](三遊亭円朝)三十九
「作蔵に少し銭を遣れば自由に媾曳(あひびき)が出来まするが」

・真景累ヶ淵:
しんけいかさねがふち

(美しい日本語の辞典) 



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[古風な言い方で] 愛し合っている二人が人目をしのんで会うこと。ランデブー。密会。忍び合い。

「媾曳」とも。

(明鏡国語辞典)



[文] an assignation; a clandestine [secret] meeting of lovers

逢い引きする
meet (one's lover) secretly; have a secret date (with)

(プログレッシブ和英中辞典)



あいびき【逢引・媾曳】
  • a 「secret [《文》 clandestine] meeting 《of lovers》
  • an assignation
  • a lover's rendezvous
  • 《文》 a tryst

〜する
  • meet 「secretly [in secret]
  • have an assifnation 《with》

・恋人たちは人目を忍んであいびきを重ねた。
The lovers met in secret, again and again.

(新和英大辞典)



あいびき【逢い引き】

・彼と逢い引きをする
meet him in secret

(ジーニアス和英辞典)

2011-09-20

「合いの手」の意味

会話や物事の進行の間に差し挟むちょっとした言葉や物事。

元来は、邦楽で歌と歌との間に楽器だけで演奏する部分をいい、さらに、歌や曲の間に挟む手拍子や掛け声をいった。

吾輩は猫である[1905~06](夏目漱石)六
「折々大きな声で相の手を入れて居る」

(美しい日本語の辞典)



あい-の-て 【間の手・相の手・合の手】

1. 邦楽歌曲で、唄と唄との間に、楽器だけで奏される短い部分。

2. 歌や踊りの調子に合わせて間に入れる掛け声や手拍子。

3. 会話・物事の進行の間に別の人が挟む言葉や物事。「合いの手を入れる」

(広辞苑)



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1. [間奏]
an interlude

・合いの手を入れる
insert an interlude


2. [間に入れる掛け声]
an interjected chant

・一小節ごとに「ラララ」と合いの手を入れた
They joined in, chanting "la, la, la" after every verse.


3. [話の間に入れる言葉]

・私が話している間、彼は「そうだ」と何度も合いの手を入れた
While I was talking, he repeatedly threw in the phrase "That's right."

(プログレッシブ和英中辞典)



あいのて【合いの手】

interjected chant
interjection

合いの手を入れる
make an interjection

・彼女の歌に調子よく合いの手を入れる
clap hands in time to her song

・「賛成!」と彼はすかさず合いの手を入れた
"I agree!" he interjected immediately.

(ジーニアス和英辞典)

2011-09-19

「あいの風」の意味

東風のこと。おもに、越地方(現在の福井県から新潟県の辺り)で使われた。

夏の季語。

催馬楽(さいばら) [7C後~8C] 道の口
「道の口 武生(たけふ)の国府(こふ)に 我はありと 親に申したべ 心 安比加世(アヒノカゼ)や さきむだちや」

(美しい日本語の辞典) 



あい-の-かぜ【東風】

(アユノカゼの転)東の風。あい。

(広辞苑)



あいのかぜ【あいの風】

夏の穏やかな北風をいい、日本海沿岸地方で広く用いられる言葉。

(百科事典マイペディア)



るるぶ富山 立山 黒部 五箇山 白川郷 '21





あいの風(あいのかぜ)

  • 土用あい
  • 土用(どよう)東風(ごち)
  • 青東風(あをごち)

日本海沿岸に夏季に吹く涼味のあるそよ風で、北または北東から吹く。

土用あいは、もとは近畿や中国地方の船乗りの言葉で、土用のさなかに吹く北からの風。

土用東風は青空を渡る東風で青東風ともいう。

(合本俳句歳時記)

2011-09-18

「相成る」の意味

「なる」 の改まった言い方。

「あい」 は接頭語。

「いかが相成りましょうか」
「五万円に相成ります」
「いたくお世話に相成りました」

など、改まった場での物言いとなる。

(美しい日本語の辞典)



美しい日本語の辞典





「なる」 の改まった言い方。

「かような仕儀に相成りました」

(広辞苑)



「成る」 の改まった言い方。

「風薫る候と相成りました」
相成るべくは参加されんことを」

(明鏡国語辞典)



あい-な・る アヒ‥ 【相成】

〘自ラ五(四)〙

(「あい」は接頭語)

「なる」の改まった言い方。

*海道記(1223頃)市腋より萱津
「実に父兄の教へつつしまざれども至孝の志、自らあひなる者か」

・海道記:
かいどうき

・市腋:
いちえ

・萱津:
かやづ、かやつ、かいづ

・至孝:
しこう

(精選版 日本国語大辞典)

2011-09-17

「愛想(あいそ)」の意味

他人によい感じを与えるような態度、かわいらしい顔つき、やさしいもの言い、対応の仕方などをいう。

また、他人の機嫌を取るような、ちょっとした態度やもの言い、お世辞の意味もある。

「愛想笑い」はお世辞笑いのこと。

「愛想が尽きる」「愛想を尽かす」「愛想も小想(こそ)も尽き果てる」という言い方で、すっかり嫌になる、見限るという意味で使われる。

他人に対する親しみの気持ちは具体的な物品となり、「おあいそ」の形で他に対する茶菓などのもてなしや心付けなど気をきかして与える金品もいう。

「おあいそ」といえば、飲食店などで客に請求する勘定やその勘定書の意味でも使われるが、これはもともと関西の言葉「あいそづかし」の略で、これを見ると愛想が尽きることからだという。

(美しい日本語の辞典) 



お客様を惹きつける気づかいの習慣36





(アイソウの約)

1. 人に接して示す好意や愛らしさ、人あしらいのよさ。
「愛想がいい」「愛想が悪い」

2. (多く 「お~」 の形で)好意のあらわれとしての茶菓などのもてなし。また、おせじ。
「何のおあいそもございませんで」「おあいそを言う」

3. (普通「お~」の形で)飲食店などの勘定。勘定書。

(広辞苑)



あいそ【愛想】

愛想のよい[悪い]店員
「a friendly [an unfriendly] salesclerk

・彼女は愛想がいい
She is amiable [friendly].

・彼は愛想は悪いが根はいい人だよ。
He is not sociable, but he is a good person at heart.

・来客に愛想よく対応する
entertain a guest warmly

・彼女にお愛想を言う
say nice things to her

・怠け者の夫に愛想を尽かす
[=飽き飽きする]
get fed up with one's lazy husband;

[=我慢するのをやめる]
stop putting up with one's lazy husband

・彼女には愛想が尽きた
I'm utterly disappointed in her.

愛想笑いをする
make a fake smile; force onself to smile

(ジーニアス和英辞典)

2011-09-16

「合縁奇縁(相縁奇縁)」の意味

「合縁」は親子、夫婦、師弟など互いに気心がよく合う縁。

「奇縁」は不思議な因縁、思いがけない巡り合わせ。

人と人とが互いに和合するのもしないのも、全て因縁によるものということ。特に男女、夫婦、友人などの巡り合いについていう。

(美しい日本語の辞典) 



チロルチョコ ごえんがあるよ





人の交わりには、自ずから気心の合う合わないがあるが、それもみな不思議な縁によるものであるという意味。

浄瑠璃、心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)
「人には合縁奇縁、血を分けた親子でも仲の悪いが有るもの」

(広辞苑)



あいえん-きえん

  • 愛縁機縁
  • 合(あひ)縁奇縁
  • 相(あひ)縁奇縁

〘名〙

人と人とが互いに和合するのもしないのも、すべて因縁によるということ。

特に男女、夫婦、友人などの巡り合いについていう。

*俳諧・唐人躍(1677)三秋
「幾とせか あひえんきえん 女夫星〈方孝〉」

(精選版 日本国語大辞典)



a relationship determined by a happy twist of fate

Heaven only knows what married couples see in each other.
夫婦の仲は合縁奇縁。

(プログレッシブ和英中辞典)



あいえんきえん【合縁奇縁】

  • karmic relations
  • a relationship due to karma

〔不思議な縁〕
an unexpected [a surprising] relationship

・これも合縁奇縁でね。

〔一般的に〕
It seems that we were fated to become friends.

〔男女間について〕
This match was made in heaven.

(新和英大辞典)

2011-09-15

「相合傘(あいあいがさ)」の意味

一本の傘を二人でさすこと。

多くは、男女の仲が親密であることをいう。また、その姿から、傘の略画の左右に男女の名前を並べて、恋仲の男女を冷やかす落書き。

かつては最も多い落書きの一つで、自分で好きな異性の名前と自分の名前を書く者もいた。

すみだ川[1909](永井荷風)ニ
「皆(みん)なから近所の板塀や土蔵の壁に相々傘をかかれて囃(はや)された」

(美しい日本語の辞典)



男はつらいよ 寅次郎相合い傘 4Kデジタル修復版





あいあい-がさ【相合傘】アヒアヒ‥

1本の傘を男女二人でさすこと。

また、異性との親密さの象徴として、落書きで傘の柄の両側に男女の名を書いたもの。

あいがさ。

(広辞苑)



相合傘で行く
go together under one umbrella

相合傘の二人が行く
There goes a couple sharing one umbrella.

(プログレッシブ和英中辞典)



あいあいがさ【相合い傘】

・彼らは相合い傘を書いて2人をひやかした。
They teased the couple by drawing a picture of their names sharing an umbrella.

・娘は男の子と相合い傘で帰って来た。
My daughter came home under one umbrella with a boy.

[関連]
(1) share an umbrella, under one umbrella には「男女の親密さ」を象徴する含意はない。

(2) 英米の落書きには相合い傘に近いものがあるが、これはからかいよりも愛の宣言であることが多い。

(ジーニアス和英辞典)

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