はかなく散る桜。また、はかないもののたとえ。
親鸞聖人の歌とされる「あすありと 思ふ心のあだ桜(ざくら) 夜は嵐の 吹かぬものかは」が有名。
桜はあだな(かりそめではかない)もので今日咲いても明日はもう散っているかもしれない、という発想は古く、しばらくぶりに訪れてきた在原業平に向かって「はかないものと有名な桜だけれども、一年にほんのたまにしか来ないあなたのような人のことも、ちゃんと待ちつけてこうして咲いているじゃありませんか」とある人が詠みかけ、業平が「私が今日来なかったら、明日は散っていたに違いない」と応じた歌のやりとりが『古今和歌集』や『伊勢物語』に見える。
(美しい日本語の辞典)
▷ 月刊京都 2019年4月号
あだ-ざくら【徒桜】
散りやすく、はかない桜花。
親鸞聖人絵詞伝
「あすありと 思ふ心のあだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」
(広辞苑)
あだ-ざくら【徒桜】
〘名〙
すぐに散ってしまう桜の花。
▼ はかないもののたとえに使う。
(明鏡国語辞典)
あだざくら【徒桜】
(the) 「ephemeral [fleeting, passing] cherry blossoms
- (the) ephemeral cherry blossoms
- (the) fleeting cherry blossoms
- (the) passing cherry blossoms
(新和英大辞典)