すぐれたもの、りっぱなもの、価値あるものに対して、それが失われたり、欠けたり、無視されたりして、むなしく終わってしまうのは残念だという感情を表す。
体言のすぐ前に置かれ、連体詞のようなはたらきをもつ一方、独立語としての性格も強い。
「あたら花を散らす」といえば、惜しまれる人が若死にしたのにいう。
(美しい日本語の辞典)
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あたら【可惜】
〘副〙
(アタラシの語幹。感動詞的に独立して、また連体詞的に名詞に冠して用いる)
惜しくも。もったいないことに。惜しむべき。あったら。
源氏物語(若菜下)
「あたら人の文をこそ思ひやりなく書きけれ」
「あたら若い命を捨てた」
可惜身命 / 可惜身 / 可惜物 / 可惜夜
(広辞苑)
あたら【〈可惜〉・惜】
一 〘副〙
価値あるものが有効に働かないことが惜しまれるさま。惜しいことに。あったら。
「あたら若い命を散らす」
二 〘連体〙
〔古〕惜しむべき。もったいない。
「可惜夜・可惜物」
◆ 文語形容詞「可惜(あたら)し(=おしい、すばらしい)」の語幹から。
(明鏡国語辞典)
あたら【可惜】
〔惜しい〕
・あたら20歳の命を戦争で失った
Regrettably [((文)) Alas], he lost his life at twenty in the war.
・あたら青春を棒に振ってしまった
He wasted the irreplaceable days of his youth.
・あたら好機を逸した
I missed a precious [once-in-a-lifetime] opportunity.
(プログレッシブ和英中辞典)