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2021-05-30

「いたく」の意味

いたく

程度のはなはだしいさま。ひどく。はなはだしく。ずいぶん。形容詞「いたい」の連用形から。

*竹取物語〔9C末〜10C初〕
「八月十五日ばかりの月に出で居て、かぐや姫いといたく泣き給ふ」

(美しい日本語の辞典)



竹取物語





いたく【甚く】

〘副〙

(「いたし」の連用形から)はなはだしく。ひどく。

いたく感銘した」

いたく疲れた」

(広辞苑)



いたく【甚く】

〘副〙

物事の程度がはなはだしいさま。大いに。非常に。ひどく。

いたく悲しむ」

いたく感激する」

▶ 文語形容詞「いたし」の連用形から。

[表記]
「痛く」とも書くが、一般にかな書きが多い。

(明鏡国語辞典)



いたく【甚く】

・いたく気に入る
be extremely pleased with sth

・その豪華な貢ぎ物を見て、王はいたくご満悦のご様子であった。
When he saw the magnificent tribute, the king showed extreme delight.

(新和英大辞典)

2021-05-23

「いたいけ」の意味

いたいけ

子どもなどの幼くてかわいらしいさま。また、弱々しくいじらしいさま。

「痛い気」の変化で、胸が痛むほどかわいいの意。

「いとけない」と混同して「いたいけない」ともいう。

*鳥影〔1908〕〈石川啄木〉五・三
「水近い礫(こいし)の間には可憐(いたいけ)な撫子(なでしこ)が処々に咲いた」

・礫:
れき、つぶて、こいし

・可憐:
かれん

・処々:
しょしょ、ところどころ

(美しい日本語の辞典)



ビートたけし - いたいけな夏





いたい-け【幼気】

① 小さくて愛すべきさま。美しく可愛らしいさま。

「七つになる子がいたいけな事言うた」(狂言歌謡)


② 子供などのいじらしくいたいたしいさま。あわれむべきさな。

いたいけな遺児」

(広辞苑)



いたいけ

〜な

〔幼くてかわいらしい〕
adorable; sweet; young and helpless

〔幼くていじらしい〕
pitiful; touching

・いたいけな少女
an adorable girl of tender age

・震災遺児のいたいけな姿
the 「pitiful [touching] figure of an earthquake orphan

(新和英大辞典)



いたいけ(な)

・無心に遊ぶいたいけな子供たち
little children playing innocently

(ジーニアス和英辞典)

2021-05-16

「磯山風(いそやまかぜ)」の意味

磯山風(いそやまかぜ)

磯辺の山から吹いて来る風。

*十六夜日記〔1279 〜 82頃〕
「東路の 磯山かぜの たえまより 波さへ花の おもかげに立つ」

・東路:
あずまじ

(美しい日本語の辞典)



歴史を知れば3倍たのしい 鎌倉の古社寺





いそ-やま【磯山】

磯辺にある山。

新後撰和歌集(旅)
「清見潟 磯山づたひ 行き暮れて」

(広辞苑)



いそやま-あらし【磯山嵐】

〘名〙

磯辺の山から吹きおろす嵐。磯山颪(おろし)。

*玉葉(1312)秋下・七一四
「雲はるる 磯山あらし音ふけて 沖つ潮瀬に 月ぞかたぶく〈藤原冬平〉」

・玉葉:
ぎょくよう

・潮瀬:
しおせ

(精選版 日本国語大辞典)



いそべ【磯辺】

are along the shore

◆ 磯辺揚げ
isobeage(-tempura)

(ジーニアス和英辞典)

2021-05-09

「磯松風(いそまつかぜ)」の意味

磯松風(いそまつかぜ)

磯辺の松を吹き渡る風。

(美しい日本語の辞典)



いそ-まつかぜ【磯松風】

〘名〙

[1]
磯辺の松を吹きわたる風。

[2]
菓子の一種。小麦粉に砂糖、食塩、水を混ぜ、ふくらし粉を加えて木枠に流し込んで蒸し、紫蘇(しそ)の粉末を振りかけたもの。

(精選版 日本国語大辞典)



正観寺 松風 24入





いそ-まつかぜ【磯松風】

小麦粉に砂糖・食塩・水をまぜ、ふくらし粉を加えて蒸し、気孔を密集させた菓子。シソの粉末などをふりかける。

(広辞苑)



まつかぜ【松風】

〔風〕
a wind 「among [in] the pines

〔風の音〕
the 「soughing [whisperings] of the wind 「among [in] the pines

・松風が立っていた。
Pines were singing in the wind.

(新和英大辞典)

2021-05-02

「磯の鮑の片思い」の意味

磯の鮑の片思い

(いそのあわびのかたおもい)

相手はまったく無関心なのに、こちらだけ恋い慕っている状態をいう。片思い。

あわびの貝は二枚貝の片方のように見えるところから「かた」を導く序となっている。念のためにいうと、あわびは巻貝の一種であって二枚貝のかたわれではない。

(美しい日本語の辞典)



東野圭吾 - 片想い





いそのあわびのかたおもい【磯の鮑の片思い】

[使い方]
鮑の殻が二枚貝の片方だけのように見えることから、「片思い」をしゃれていう語。

「彼の恋は 磯の鮑の片思い に終わりそうだね」


(1)アワビはミミガイ科の巻き貝。殻が皿の形をしているので、二枚貝が片方の殻を置き忘れてきたように見える。

(2)「鮑の(貝の)片思い」とも。

(明鏡 ことわざ成句使い方辞典)



[慣]鮑の片思い

[解](鮑が片貝であることから)自分が相手を思うだけで、相手が自分を思わないことにいう。「磯の鮑の片思い」とも。

浄瑠璃、国性爺合戦
「君は醋貝とすひつけど、我は鮑の片思い

・国性 爺合戦:
こくせん やかっせん

・醋貝:
すがい(酢貝)

(広辞苑)



かたおもい【片思い】

one-sided [unreturned, unanswered, unrequited, unreciprocated] love

・けっきょく彼の片思いに終わった。
In the end his love 「was not requited [remined unrequited].

・この恋は私の片思いでいいの。
I'm content if this love of mine is 「unreciprocated [unrequited].

(新和英大辞典)



かたおもい【片思い】

one-sided [〘正式〙unrequited] love

・彼女への気持ちは片思いに終わった
My love for her wasnot returned [one-sided, unrequited].

(ジーニアス和英辞典)



かたおもい【片思い】

one-sided [(報われない)〘書〙unrequited//] love

・彼の片思いだった。
He came to love [fell in love with] her, but she didn't love him [it was his one-sided love].

(恋が報われない)
His love was not returned.

(ウィズダム和英辞典)

2021-04-25

「勤しむ(いそしむ)」の意味

いそしむ

物事を毎日規則的に励み行う。

*苦の世界〔1918 〜 21〕〈宇野浩二〉一・四
「労働にいそしんでゐる」

(美しい日本語の辞典)



小3漢字(早ね早おき朝5分ドリル)





いそし・む【勤しむ】

〘自五〙

① 功があるとする。勤勉であるとして、賞する。

続日本紀(17)
いそし・みうむがしみ忘れ給はず」


② つとめはげむ。

「勉学に勤し・む

(広辞苑)



いそし・む【勤しむ】

(自マ四)

よくつとめる。精を出す。

勤し・みて懈(おこた)らざりしをほめ給へり」
〈持統紀〉

(旺文社古語辞典)



大人の脳活&生き生きドリル1246問





いそしむ【勤しむ】

・仕事にいそしむ
work 「diligently [assiduously, strenuously]

・読書にいそしむ
be devoted to reading; bury one's head in books

・勉学にいそしむ
be devoted to 「study [studies, studying]

・家業にいそしむ
put strenuous efforts into (running) the family business

・踊りの稽古にいそしむ
be diligent in one's dance practice

(新和英大辞典)



いそしむ【勤しむ】

勉学にいそしむ
study hard

読書にいそしむ
devote oneself to reading

(ジーニアス和英辞典)

2021-04-18

「磯時雨(いそしぐれ)」の意味

磯時雨(いそしぐれ)

磯で降る時雨。

*俳諧・焦尾琴〔1701〕雅
「蜑の子や 松を逆手に 磯しぐれ〈重巽〉」

・焦尾琴:
しょうびきん

・蜑:
あま(海女・海士・海人)

・重巽:
ちょうそん

(美しい日本語の辞典)



しょうび-きん セウビ‥【焦尾琴】

〘名〙

(後漢の蔡邕(さいよう)が、呉人の桐を焼く音をきき、その良材である事を知り、その桐材で尾部の焦げたままの琴の名器を作ったという故事から)琴(きん)の名器の名。

転じて、琴の異称。焦尾。焦尾の琴。そうびきん。

〔黒本本節用集(室町)〕〔後漢書 - 蔡邕伝〕

(精選版 日本国語大辞典)



おとなの旅と宿 伊勢・鳥羽・志摩 南知多・三河湾





あま【海人・蜑】

(「あまびと(海人)」の略か)

① 海で魚や貝をとり、藻塩などを焼くことを生業とする者。漁夫(ぎょふ)。

古事記(下)
「鮪(しび)突く 海人 よ」


② (「海女」「海士」と書く)海に入って貝・海藻などをとる人。〈季・春〉

「真珠取りの 海女

(広辞苑)

2021-04-11

「居候(いそうろう)」の意味

居候(いそうろう)

他人の家に身を寄せ、養ってもらっていること。また、その人。「いそうろう三杯目にはそっと出し」は居候の肩身の狭さをたくみに言いあてた川柳としてよく知られている。

*浮雲〔1887 〜 89〕〈二葉亭四迷〉一・二
「昨日までは叔父の家とは言ひながら食客(ゐさふらふ)の悲しさには」

(美しい日本語の辞典)



い-そうろう【居候】ヰサウラフ

他人の家に寄食すること。また、その人。食客。

誹風柳多留(24)
居候因果と子供嫌ひなり」

・寄食:
きしょく

・食客:
しょっかく

・誹風 柳多留:
はいふう やなぎだる

(広辞苑)



名句鑑賞『誹風柳多留』十一篇を読み解く





居候[イソウロウ]

無能なやっかい者をもさすが、通常他人の家に寄食する者をいう。同居人の一種。「やか」(家にいる)がやっかいに転じた。

江戸時代の公文書に、縁者でも正式の雇用人でもない同居者を「だれそれの家に居候」と肩書きされたのが始り。

(ブリタニカ国際大百科事典)



いそうろう【居候】

lodger who does not pay room and board
《◆ room and board は「部屋代と食費」の意》

私は彼の家に居候している
  • I'm anon-paying lodger [freeloader] in his house.
  • I am living in his house without paying room and board.

・彼女は30歳を越えているのに、まだ実家に居候している
She is over thirty but still living off her parents.

居候三杯目にはそっと出し
A non-paying lodger hesitates to accept for a third helping.

(ジーニアス和英辞典)



いそうろう【居候】

[名]
〘話・けなして〙 a freeloader;
(寄生虫のような人)〘けなして〙 a parasite

[動]居候する
・彼は兄のところに居候している。
He lives off [〘話〙 freeloads on] his brother.

(ウィズダム和英辞典) 

2021-04-04

「伊勢清の雨」の意味

伊勢清(いせきよ)の雨(あめ)

陰暦九月一八日に降る雨。伊勢神宮の内宮、外宮の御遷宮の行事の後に降る雨の意という。

・内宮:
ないくう

・外宮:
げくう

・御遷宮:
ごせんぐう

(美しい日本語の辞典)



図説地図とあらすじでわかる!伊勢参りと熊野詣で





ご-せんぐう【御遷宮】

〘名〙

(「ご」は接頭語)

遷宮の尊敬語。二〇年目ごとに行われる伊勢神宮の遷宮をいう。御遷座。

《季・秋》

〔いろは字(1559)〕

*俳諧・泊船集(1698)四
「たふとさに みな押しあひぬ 御遷宮〈芭蕉〉」

・御遷座:
ごせんざ

・泊船集:
はくせんしゅう

(精選版 日本国語大辞典)



るるぶ お伊勢まいり





ごせんぐう【御遷宮】

秋九月

伊勢皇大神宮は、二十年ごとに正殿および御垣内の殿舎を隣にある古殿地に新造し、神座を遷すことが行われてきた。これを御遷宮という。*伊勢御遷宮(いせごせんぐう)。

・皇大神宮:
こうたいじんぐう

・正殿:
せいでん

・御垣内:
みかきうち

・殿舎:
でんしゃ

・古殿地:
こでんち

・神座:
しんざ

・遷す:
うつす

[例句]
尊さに 皆押あひぬ 御遷宮
〈芭蕉〉

[例句]
御遷宮 只々青き 深空かな
〈鳳朗〉

・深空:
みそら

・田川 鳳朗:
たがわ ほうろう

(ホトトギス俳句季題便覧)



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せんぐう【遷宮】

installation of a sacred symbol in a temporary [new] shrine

(ジーニアス和英辞典)



せんぐう【遷宮】

遷宮する
[動](神道において神霊を新しい神殿に移す)
install (the sacred symbol of) a deity in a new shrine

・神霊:
しんれい

● 遷宮式
the dedication of a new shrine

(ウィズダム和英辞典)

2021-03-28

「伊勢風(いせかぜ)」の意味

伊勢風(いせかぜ)

(伊勢国が東南に当たるところから、京都で)東南の風。

伊勢東風(いせこち)。おしゃな。

(美しい日本語の辞典)



こち【東風】

(「ち」は風の意)

春に東方から吹いて来る風。ひがしかぜ。春風。こちかぜ。

〈季・春〉。

拾遺和歌集(雑春)
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花」

(広辞苑)



いせ【伊勢】

① 旧国名。今の三重県の大半。勢州。

② 三重県東部の市。旧称、宇治山田市。伊勢神宮所在地として発達、神都(しんと)と称する。伊勢志摩国立公園の入り口。人口12万8千。

③ 伊勢神宮。「伊勢参り」

(広辞苑)

大人の伊勢神宮





いせ【伊勢】

Ise

◆ 伊勢神宮
Ise Shrine

◆ 伊勢参り
pilgrimage to Ise Shrine

(ジーニアス和英辞典)

2021-03-21

「いずれ菖蒲か杜若」の意味

いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)

どれもすぐれていて選択に迷うことにいう。アヤメもカキツバタも同科の花で区別しにくいところから。

単に「いずれあやめ」ともいい、こちらは源頼政(みなもとのよりまさ)がぬえ退治のほうびに菖蒲前(あやめのまえ)という美女を賜わるに当たって、同じような美女一二人の中から菖蒲前を選ぶよう命じられた時よんだ和歌「五月雨に 沢辺の真薦水越て 何れ菖蒲(あやめ)と 引ぞ煩ふ〔太平記 - 二一〕」によるという。

・賜る:
たまわ る

・沢辺:
さわべ

・真薦:
まこも(真菰)

・煩ふ:
わずら ふ

(美しい日本語の辞典)



バスクリン入浴剤 菖蒲(しょうぶ)の香り





[慣]何れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)

[解]どちらもすぐれていて優劣のきめがたい意。

(広辞苑)

2021-03-14

「出雲入道(いずもにゅうどう)」の意味

出雲入道(いずもにゅうどう)

(夏季、出雲地方の空に見えるところから)

入道雲、雲峰(くものみね)をいう。

(美しい日本語の辞典)



るるぶ 山陽 山陰 ベスト '21



☆ 2泊3日 温泉宿に2泊する!山陰いいとこどりコース
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いずも【出雲】イヅモ

① 旧国名。今の島根県の東部。雲州。

② 島根県北東部、出雲平野を中心とする市。室町時代以降、市場町として発展。紡績・酒造などの工業が発達。人口17万2千。

(広辞苑)

2021-03-07

「居住まい」の意味

居住(いず)まい

すわっている姿勢。また、その態度。いざま。

「いずまいを正す(直す)」のかたちで、きちんとした姿勢ですわりなおす意に使うことが多い。

➝ たたずまい

*浮雲〔1887 〜 89〕〈二葉亭四迷〉二・一二
「吃驚(びっくり)した面相(かほつき)をして些(すこ)し飛上がって居住居(ゐずまゐ)を直ほした」

(美しい日本語の辞典)



[慣] いずまいを=正(ただ)す[=直(なお)す]

きちんとした姿勢ですわりなおす。

*雑俳・若とくさ(1790)
「おもひ出し 居すまゐ直す 肥た嚊」

・嚊:
かかあ(嬶)



かあちゃん取扱説明書





いずまい【居住まい】

the way [how] one sits

・居住まいを正す
sit up;
sit (up) straight;
straighten up;
sit (up) properly;
straighten one's back

・居住まいをくずす
relax;
sit back;
sit in 「a relaxed [an informal] way

(新和英大辞典)

2021-02-28

「いすかの嘴(はし)」の意味

いすかの嘴(はし)

物事がくい違って思うようにならないこと。イスカ(鳥の一種)の上下のくちばしが左右にくい違って合わないところからいう。

しかし、当のいすかにしてみれば、くいちがったくちばしこそ松かさの中の種子をついばむのに適しているのであり、別に思うようにならないわけではない。

(美しい日本語の辞典)



鳥のくちばし図鑑 たべる・はこぶ・つくる





[慣]いすかの嘴(はし)

(鶍の上下のくちばしが左右にくい違って合わないところから)物事がくい違って思うようにならないこと。

*寛永刊本蒙求抄(1529頃)七
「世界と我といすかのはしにすりちがうて候ほどにぞ」

・寛永:
かんえい

・刊本:
かんぽん

・蒙求抄:
もうぎゅうしょう

*歌舞伎・千歳曾我源氏礎(1885)三幕
「得心させんと思ひしも、鶍の嘴と喰違ひ」

・千歳 曾我 源氏礎:
せんざい そが げんじのいしずえ
ちとせ そが げんじのいしずえ

・得心:
とくしん

(精選版 日本国語大辞典)



いすか-の-はし【鶍の嘴】

(鶍のくちばしが交叉していることから)物事がくいちがって思うようにならないことのたとえ。

浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵
「する事なすこと、鶍の嘴ほど違ふ」

(広辞苑)

2021-02-21

「衣食足りて礼節を知る」の意味

衣食足りて礼節を知る

いしょくたりてれいせつをしる

生活にこと欠かなくなって、人は初めて礼儀に心を向ける余裕ができるの意。「管子 - 牧民」によることば。

・管子:
かんし

・牧民:
ぼくみん

管子(中国の思想)



(美しい日本語の辞典)



[慣]衣食足りて礼節を知る

[解]
管子(牧民)
「倉廩(そうりん)実(み)ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る」

民は、生活が豊かになって初めて、道徳心が高まって礼儀を知るようになる。

「衣食足りて栄辱を知る」とも。

・栄辱:
えいじょく

(広辞苑)



◆ 衣食足りて礼節を知る

〘ことわざ〙
Well fed, well bred.

(ウィズダム和英辞典)

2021-02-14

「石部金吉(いしべきんきち)」の意味

石部金吉(いしべきんきち)

道徳的に堅固で、金銭や女色に心を迷わされない人。また、物堅くきまじめ過ぎて、融通のきかない人。男女間の情愛などを解しない人。

石と金と二つの堅いものを並べた擬人名。かたぞう。

さらなる上手の堅物を「いしべきんきち金兜(かなかぶと)」と呼ぶ。石部金吉に金(かね)のかぶとをかぶせたような人の意。

*浄瑠璃・神霊矢口渡〔1770〕三
「旦那さまは石部金吉。女護が島へやって置いても気遣ひの気の字もない」

・堅固:
けんご

・女色:
じょしょく

・神霊 矢口渡:
しんれい やぐちのわたし

・女護が島:
にょごがしま

(美しい日本語の辞典)



にょご-の-しま【女護島】

① 女人だけが住むという想像上の島。近世の日本では、八丈島のことを称した。にょうごのしま。にょごがしま。

好色一代男(8)
「是より 女護の島 にわたりて、つかみどりの女を見せん」


② 女性ばかりいるところの称。男子禁制の大奥や遊里など。

(広辞苑)



るるぶ 小笠原 伊豆諸島





いしべきんきち【石部金吉】

a person of strict morals;
a very upright person;
a straightlaced person

(新和英大辞典)



いしべきんきち【石部金吉】

a person of very strict morality;
an extremely inflexible person

(ウィズダム和英辞典)

2021-02-07

「漁火(いさりび)」の意味

漁火(いさりび)

夜、魚を漁船の方へ誘い集めるために燃やすたいまつ、かがり火の類。今日では集魚灯など電気照明に変わってしまった。

*万葉集〔8C後〕一二・三一六九
「能登の海に 釣する海人(あま)の 射去火(いざりひ)の 光にいませ 月待ちがてり〈作者未詳〉」

(美しい日本語の辞典)



なとり 技の逸品 さきいか漁火





いさり-び【漁火】

(古くはイザリヒ・イザリビ)

魚を漁船の方へ誘い寄せるために焚く火。

万葉集(12)
「釣する海人(あま)の 射去火(いざりひ)の」

(広辞苑)



漁り火 - 藍染袴お匙帖





いさり-び【漁火】

〘名〙

夜、魚を誘い寄せるために船でたく火。

▶「いさり」は「いさる(=漁をする)」の連用形から。

(明鏡国語辞典)



漁火 二カ国語版





いさりび【漁り火】

a 「fire [lamp] lit on fishing boat (to lure fish)

・沖に連なる漁り火が美しい。
The fishing lamps strung out across the bay look beautiful.

・今は電灯だが、昔は漁り火を焚いて漁をしたものだ。
Now they use electric lamps, but they used to light fires (to attract the fish) when they went fishing.

(新和英大辞典)



いさりび【漁り火】

a fishing fire;
a fire for luring fish (on a fishing boat)

(ウィズダム和英辞典)

2021-01-31

「十六夜(いざよい)」の意味

十六夜(いざよい)

「いざよいの月(陰暦十六日の夜に出る月)」の略。特に、陰暦八月十六日の月。

満月に比べると翌晩十六日の月はやや遅く出るところから、「いざよい(とどこおる意の動詞「いざよう」の名詞形)」と呼んだもの。

秋の季語。

ちなみに、鎌倉時代の阿仏尼の日記「十六夜日記」は作者の旅立ちの日付が十月十六日だったところからの書名。

*源氏物語〔1001 〜 14頃〕葵
「かのいさよひのさやかならざりし秋の事など」

・阿仏尼:
あぶつに

(美しい日本語の辞典)



月の満ちかけをながめよう





いざよい イザヨヒ

(上代ではイサヨヒと清音)

① いざようこと。進もうとして進まないこと。ためらうこと。

万葉(14)
「青嶺(ね)ろに たなびく雲の いさよひに」


② (「十六夜」と書く)

ア. 「いざよいの月」の略。

イ. 陰暦16日。また、その夜。〈季・秋〉

(広辞苑)



いざよい 【十六夜】

〘陰暦16日の夜〙
the sixteenth night of a lunar month;

〘十六夜の月〙
the moon on the sixteenth night of the eighth lunar month

(ジーニアス和英辞典)



いざよい 【十六夜】

the sixteenth night (of the lunar month);
the night after the full moon

・いざよいの月
a moon sixteen days old;
a sixteen-day-old moon

・月はいざよいあたりか、風もなく穏やかな夜でした。
It was a calm night with no wind, and the moon just beginning to wane.

(新和英大辞典)

2021-01-24

「勇み肌(いさみはだ)」の意味

勇(いさ)み肌(はだ)

威勢がよく、強者をくじき弱者をいたわる任侠の気風。おとこ気ある侠客的な気性。また、その人。伝法肌。

・任侠:
にんきょう

・気風:
きふう

・侠客:
きょうかく

・伝法:
でんぽう


ちなみに、江戸の町火消しとして知られるいろは四十八組が誕生する顛末を描いた映画のタイトルが「勇み肌千両男」(1958年)であった。

・顛末:
てんまつ


*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802 〜 09〕四・下
「三人づれの旅人、是もゑどもの〔=江戸者〕と見へて、すこしいさみ肌のまき舌にて」

・東海道中 膝栗毛:
とうかいどうちゅう ひざくりげ

(美しい日本語の辞典)



東映任侠映画傑作 DVD コレクション 116号





いさみ-はだ【勇み肌】

おとこだての気風。任侠の風。競肌(きおいはだ)。

(広辞苑)



いさみはだ【勇み肌】

〔気質・気風〕〜の
manly; chivalrous; gallant; dashing; spirited; impetuous

・勇み肌の若い衆
gallant young lads;
upstanding young guys

(新和英大辞典)



いさみはだ【勇み肌】

● 勇み肌の男
a chivalrous(-spirited) man;
a gallant(-spirited) man

(ウィズダム和英辞典)

2021-01-17

「勇み足(いさみあし)」の意味

勇(いさ)み足(あし)

相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から土俵の外へ足を踏み出すこと。足を踏み出したほうは負けになる。

転じて、物事を行う際に、調子にのりすぎて目的をはずれたり、仕損じたりすること。

*白く塗りたる墓〔1970〕〈高橋和巳〉三
「そういうことがなけりゃ、若い記者の勇み足ということですむ」

・高橋 和巳:
たかはし かずみ

(美しい日本語の辞典)



相撲観戦入門 2020





いさみ-あし【勇み足】

① 相撲の非技の一つ。相手を土俵際へ追いつめながら勢い余って相手より先に足を出して負けること。

② 転じて、つい勢いにのって、やり損なうこと。

(広辞苑)



いさみあし【勇み足】

① [やりすぎ・行きすぎ]
・彼女に辞職せよと迫ったのは勇み足だった
Pressing her to resign went a little too far.

・あのように請け合ったのは君の勇み足だと思う。
I think you overplayed your hand by giving that guarantee.


② [相撲]
forward step-out

勇み足で負ける
lose a bout by mistakenly [accidentally] stepping out of the (sumo) ring

(ジーニアス和英辞典)



いさみあし【勇み足】

・彼の勇み足で計画がつぶれてしまった。
Because he went too far, the project failed.
His hasty [reckless] action ruined the project.

・あの発言は勇み足でした。取り消します。
I got carried away and said that. I take it back.

・大関は勇み足で負けた。
The ozeki lost the bout by accidentally stepping out of the ring.

(オーレックス和英辞典)

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