石部金吉(いしべきんきち)
道徳的に堅固で、金銭や女色に心を迷わされない人。また、物堅くきまじめ過ぎて、融通のきかない人。男女間の情愛などを解しない人。
石と金と二つの堅いものを並べた擬人名。かたぞう。
さらなる上手の堅物を「いしべきんきち金兜(かなかぶと)」と呼ぶ。石部金吉に金(かね)のかぶとをかぶせたような人の意。
*浄瑠璃・神霊矢口渡〔1770〕三
「旦那さまは石部金吉。女護が島へやって置いても気遣ひの気の字もない」
・堅固:
けんご
・女色:
じょしょく
・神霊 矢口渡:
しんれい やぐちのわたし
・女護が島:
にょごがしま
(美しい日本語の辞典)
にょご-の-しま【女護島】
① 女人だけが住むという想像上の島。近世の日本では、八丈島のことを称した。にょうごのしま。にょごがしま。
好色一代男(8)
「是より 女護の島 にわたりて、つかみどりの女を見せん」
② 女性ばかりいるところの称。男子禁制の大奥や遊里など。
(広辞苑)
▷ るるぶ 小笠原 伊豆諸島
いしべきんきち【石部金吉】
a person of strict morals;
a very upright person;
a straightlaced person
(新和英大辞典)
いしべきんきち【石部金吉】
a person of very strict morality;
an extremely inflexible person
(ウィズダム和英辞典)
人気の投稿(全期間)
-
「なる」 の改まった言い方。 「あい」 は接頭語。 「いかが 相成り ましょうか」 「五万円に 相成り ます」 「いたくお世話に 相成り ました」 など、改まった場での物言いとなる。 (美しい日本語の辞典) ▷ 美しい日本語の辞典 「な...
-
あたりきしゃりきくるまひき 「あたりまえ(当前)」をしゃれていう。近世以後、職人などが用いるぞんざいな語。「しゃりき」は「車力」、すなわち荷車ひきの意か。「りき」の音を繰り返して語呂(ごろ)をよくするために添えた語。 「あたりき、しゃりき、けつの穴ばりき」とも、「けつの穴...
-
あしらう 「あしえらう」の変化した語。応対すること。 現在では、「冷たくあしらう」「鼻であしらう」などの言い方で、いいかげんに他を待遇するの意を表すことが多い。 また、景物、料理、装飾などで、物を取り合わせる、配合する意を表す。 多情多恨〔1896〕〈尾崎紅葉〉後...
-
あこがれる もとは「あくがる」で、本来いるべき場所を離れてさまようことをいった。 転じて、心が対象にひかれてさまよい出て行くような感じ、すなわち、何かに心がひかれて思いこがれることをいうようになった。 「 あこがれ の的」といえば、理想として思いを寄せる対象のこと。 ...
-
徒桜(あだざくら) はかなく散る桜。また、はかないもののたとえ。 親鸞聖人の歌とされる「あすありと 思ふ心の あだ桜(ざくら) 夜は嵐の 吹かぬものかは」が有名。 桜はあだな(かりそめではかない)もので今日咲いても明日はもう散っているかもしれない、という発想は古く、...