あらが・う あらがふ【争・諍】
〘自ワ五(ハ四)〙
1. 相手の言うことを否定して自分の考えを言い張る。言い争う。
*書紀(720)敏達一四年六月(前田本訓)
「馬子宿禰諍(アラカヒ)て従はず」
*後撰(951-953頃)恋二・七八一
「ちはやぶる 神ひきかけて 誓ひてし こともゆゆしく あらがふなゆめ〈藤原滋幹〉」
・藤原 滋幹:
ふじわら の しげもと
2. 賭け事で張り合う。賭で確かにこうなると主張する。
*枕(10C終)八七
「一日などぞいふべかりけると、下には思へど、〈略〉いひそめてんことはとて、かたうあらがひつ」
*平家(13C前)一一
「かけ鳥なんどあらがうて、三に二つは必ず射おとす物で候」
3. 力ずくで張り合う。争う。抵抗する。
*浄瑠璃・妹背山婦女庭訓(1771)一
「その一巻ここへ出せば、苦痛せずに一思ひ、あらがふとなぶり殺し」
・妹背山 婦女 庭訓:
いもせやま おんな ていきん
*風立ちぬ(1936-38)〈堀辰雄〉冬
「抗(アラガ)ひがたい運命の前にしづかに頭を項低(うなだ)れたまま」
(精選版 日本国語大辞典)
▷ 僕らはそれに抵抗できない - 「依存症ビジネス」のつくられかた
あらが・う【争う・諍う・抗う】アラガフ
〘自五〙
相手の言うことを否定する。抵抗する。あらそう。
源氏物語(夕霧)
「ことにあらが・はず」
(広辞苑)
あらが・う【抗う(争う・諍う)】アラガフ
〘自五〙
外から加わる強い力に従わずに、それをはねのけようとする。抵抗する。抗する。
「権力[運命]にあらがう」
「あらが・い難い証拠をつきつける」
(明鏡国語辞典)
あらがう【抗う】
resist; defy; oppose; protest; struggle.
・激しく抗う
resist violently
・必死に抗う
protest [struggle] desperately
・彼は権勢に抗う態度を取りつづけた。
He kept up his (stance of) opposition to the authorities. / He maintained his attitude of resistance to authority.
・彼女は次々と襲う過酷な運命に抗いながら生きている。
She is living a life of constant opposition to the assaults of cruel misfortune. / Hers is a life of constant struggle against the repeated onslaughts of cruel fate.
(新和英大辞典)
あらがう【抗う】
・権力に抗う
resist authority
・運命に抗う
fight [rebel] against one's destiny
(ジーニアス和英辞典)
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