特に、雨を伴う、はげしい風。暴風雨。
*当世書生気質〔1885〜1886〕〈坪内逍遙〉一〇
「マアいいさ、所が其晩は 風雨(あらし) でネ」
1. 荒く吹く風。古くは、静かに吹く風に対し、荒い風、はげしく吹く風をいい、特に、山嵐や山おろしのことが多い。のち、暴風、烈風、もしくは颶風(ぐふう)などを含んで、広く強風の意に用いる。なお、和歌では「有らじ」と掛け詞にして用いることがある。
*古今和歌集〔905〜914〕秋下・二四九
「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山嵐を あらしといふらむ〈文屋康秀〉」
2. 特に、雨を伴う、はげしい風。暴風雨。
(美しい日本語の辞典)
▷ 石原裕次郎シアターDVDコレクション1号「嵐を呼ぶ男」
あらし【嵐】
〔激しい風〕
a stormy wind;
a storm wind;
〔暴風雨〕
a storm;
a tempest;
《文》
the fury of the elements.
・嵐が起こった。
a storm 「arose [blew up].
・その判決に対して抗議の嵐が起こった。
A storm of protest erupted over the verdict.
・嵐がやってきたぞ。
The storm's here!
・嵐が迫ってきた。
A storm 「bore down [closed in] on us.
・きのう一日嵐が吹き荒れた。
A storm 「blew [raged] all day yesterday.
・嵐がおさまった。
The storm calmed down.
The storm has 「abated [died down].
The storm 「is [has blown] over.
・嵐がやむまでじっと耐える。
(sit tight and) ride out a storm
・嵐が過ぎるのを待つ。
wait for a storm to pass
(新和英大辞典)
「嵐雨(あらしあめ)」の意味
はげしい風とともに降る雨。暴風雨。
*川のほとり〔1925〕〈古泉千樫〉朝
「あらしあめ 晴れてすがしき この朝や 青栗の香のあまき 匂ひす」
・古泉 千樫:
こいずみ ちかし
(美しい日本語の辞典)
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