どれもすぐれていて選択に迷うことにいう。アヤメもカキツバタも同科の花で区別しにくいところから。
単に「いずれあやめ」ともいい、こちらは源頼政(みなもとのよりまさ)がぬえ退治のほうびに菖蒲前(あやめのまえ)という美女を賜わるに当たって、同じような美女一二人の中から菖蒲前を選ぶよう命じられた時よんだ和歌「五月雨に 沢辺の真薦水越て 何れ菖蒲(あやめ)と 引ぞ煩ふ〔太平記 - 二一〕」によるという。
・賜る:
たまわ る
・沢辺:
さわべ
・真薦:
まこも(真菰)
・煩ふ:
わずら ふ
(美しい日本語の辞典)
▷ バスクリン入浴剤 菖蒲(しょうぶ)の香り
[慣]何れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)
[解]どちらもすぐれていて優劣のきめがたい意。
(広辞苑)