他を近くに寄せ付けないこと。そこから、美麗、威厳などで周囲を威圧するさま、堂々としているさまに使う。
平家物語〔13C前〕一一・能登殿最期
「鎧の草摺(くさずり)かなぐりすて、胴ばかりきて大童(おほわらは)になり、大手をひろげて立たれたり。凡(およそ)あたりをはらてぞ見えたりける」
(美しい日本語の辞典)
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[慣]辺りを払う
[解]周囲の者を近づけない。また、周囲を威圧する。
宇治拾遺物語(14)
「ゆめゆめ女人に近づくことなかれ。辺りを払ひて馴るることなかれ」
「威風、辺りを払う」
(広辞苑)
あたり-を-はら・ふ(-ハラ (ロ) ウ)【辺りを払ふ】
(1) 周囲に人を近づけない。
(2) 近寄れないほど威勢がある。他を威圧する。
[平家]11・能登殿最期
「およそ辺りを払・っ(促音便)てぞ見えたりける」
[訳](能登殿の姿は)おおかた他を圧倒して見えたことだ。
(全訳古語辞典)