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2014-07-16

「雨雲(あまぐも)」の意味

雨雲(あまぐも)

雲の和名の一つ。積乱雲のこと。黒く、厚い雲で、空の低いところにあり、雨や雪を降らせることが多い。

枕草子〔10C終〕二五五・雲は
「雲は、白き。むらさき。黒きもをかし。風吹くをりのあま雲

(美しい日本語の辞典)



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あま-ぐも【雨雲】

(1)雨の降る際に現れる雲。雨気(あまけ)を含んだ雲。

(2)俗に積乱雲のこと。

(広辞苑)



あま-ぐも【雨雲】

〘名〙

雨や雪を降らせる、低くたれこめた暗灰色の雲。

▼ 気象用語では「積乱雲」。

(明鏡国語辞典)



あまぐも【雨雲】

a rain cloud

〔気象用語〕
a nimbus (複 -bi, ~es)

nimbi, nimbuses

(プログレッシブ和英中辞典)



あまぐも【雨雲】

rain cloud

雨雲が低く垂れこめている。
Rain clouds are hanging low.

(ジーニアス和英辞典)

2014-07-11

「天雲(あまぐも)」の意味

天雲(あまぐも)

(古くは「あまくも」)空の雲。

万葉集〔8C後〕二〇・四二九六
安麻久母(アマクモ)に 雁そ鳴くなる 高円の 萩の下葉は 黄葉(もみち)あへむかも〈中臣清麻呂〉」

(補注)「天雲の」は、枕詞。

(1)雲が、ゆくえ定めず空を漂うところから、「たどきも知らず」「たゆたふ」「ゆくらゆくら」「浮く」などにかかる。

(2)雲が、空のはるか遠いところにあるというところから、「奥処(おくか)も知らず」「はるか」「上(うわ)」などにかかる。

(3)雲が、ちぎれて離れ離れになるところから、「別れ」「外(よそ)」などにかかる。

(4)雲が、空を飛んで去ってしまうところから、「行く」「晴る」にかかり、飛び去っても再び戻って来るように見えるところから、「行き還(かえ)り」などにかかる。

(美しい日本語の辞典)



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あま-ぐも 【天雲】

(古くは清音か) 天の雲。

万葉集 (3)
天雲の雷 (いかずち) の上に」

あまぐも-の 【天雲の」

〘枕〙

「たゆたふ」 「行く」 「別る」 「よそ」 「おくかも知らず」 などにかかる。

(広辞苑)



あま-ぐも【天雲】(名)

〔上代は「あまくも」〕空にある雲。雲。

[万葉]10・2231
天雲はれて月夜(つくよ)さやけし」

[訳]
空にある雲が晴れて月の光が明るく澄んでいる。

(全訳古語辞典)

2014-07-09

「雨風(あめかぜ)」の意味

雨風(あめかぜ)

風が加わって雨の降ること。雨まじりの風。吹き降り。

和泉式部日記〔11C前〕
雨かぜなどいたうふり吹く日しもおとづれ給はねば」

(美しい日本語の辞典)



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あめ-かぜ【雨風】

(1)雨と風。また、雨を伴う風。

(2)酒好きでありながら、菓子などを好むこと。

雨風食堂 / 雨風胴乱 / 雨風祭

(広辞苑)



あめ-かぜ【雨風】

〘名〙

(1)雨と風。風雨(ふうう)。また、雨を伴った風。

(2)生活に支障をもたらす雨と風。また、辛い生活のたとえ。

「あばら屋だが雨風だけはしのげる」
「浮世の雨風に身をさらす」

(明鏡国語辞典)



あめかぜ【雨風】

〔雨と風〕
wind and rain

〔風を伴った雨〕
wind-driven [windswept] rain

・雨風をしのぐ
protect oneself from the weather

(プログレッシブ和英中辞典)



あめかぜ【雨風】

wind and rain 《◆語順に注意》

雨風が激しくなってきた。
The wind and rain are getting harder.

・あばら屋だが雨風だけはしのげる
This house may be shabby, but (at least) 「it can keep the rain out [we have a roof over our heads].

(ジーニアス和英辞典)

2014-07-08

「天翔る(あまかける)」の意味

天(あま)翔(かけ)る

神、霊魂、鳥などが大空を飛びかける。

「細雪」の褒貶〔1950〕〈山本健吉〉
「氏にあっては、芸術上の理想とは、実生活上の理想を離れて天翔(あまが)けるものではない」

(美しい日本語の辞典)



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あま-がけ・る【天翔る】

〘自四〙

(アマカケルとも)鳥または神、人の霊魂などが大空を飛び走る。

万葉集(5)
「天(あま)のみ空ゆ天翔り

日葡辞書「アマカケル」

(広辞苑)



あま-がけ・る【天翔る】

〘自五〙

神霊・霊魂・霊鳥などが大空を飛び走る。また、すぐれた心の働きが奔放に現れる。

天翔る精霊」
天翔る詩魂」

▼ 「翔る」は「駆ける」と同語源。

(明鏡国語辞典)



あまがける【天翔る】

soar

・天翔る鷲(わし)
a soaring eagle

(プログレッシブ和英中辞典)



あまがける【天翔ける】

《文》 ride the skies
《文》 range the empyrean

(新和英大辞典)

2014-07-07

「雨足が早い」の意味

雨足(あまあし)が早(はや)い

雨が降りながら通り過ぎていく速度が速いこと。

「雨足」単独では、地上に降り注ぐ雨が白い糸筋のように見えるさまや、積乱雲などから雨が降っているのを遠くから見たときに雲が筋になって落ちているように見える部分のことをさす。

杜甫、白居易等の唐詩に用いられる「雨脚」を日本で訓読し、平安時代の仮名文学で「あめのあし」という語形が生まれ、それが後世変化したもの。

(美しい日本語の辞典)



雨のことば辞典





・雨足は次第に速くなってきた
The beat of the rain gradually quickened.

(プログレッシブ和英中辞典)



・雨脚が速い。
The rain is passing rapidly.

(新和英大辞典)



・夏の夕立は雨脚が速い
A summer shower passes very rapidly.

(ジーニアス和英辞典)



・夏の夕立は雨足がはやい。
A summer shower comes and gose very quickly.

(ウィズダム和英辞典)

2014-07-02

「雨足・雨脚」(あまあし)の意味

雨足(あまあし)・雨脚

白い糸すじのように見える、地上に降り注ぐ雨。

伊豆の踊子〔1926〕〈川端康成〉一
雨脚が細くなって、峰が明るんで来た」

(美しい日本語の辞典)



雨のことば辞典





あま-あし【雨脚・雨足】

(「雨脚(うきゃく)」の訓読)

(1)長くすじをひいて地に落ちる雨。

雨脚が激しい」

(2)雨が降りながら通りすぎていくさま。また、その速さ。

雨脚が早い」

(広辞苑)



あま-あし【雨脚(雨足)】

〘名〙

(1)雨が降りながら移動するときの、その動き。

雨脚が速い」

(2)白い糸のように見えて降り注ぐ雨。

「強い雨脚が地面を打つ」

◆「雨脚(うきゃく)」を訓読した語。「あめあし」とも。

(明鏡国語辞典)



あまあし【雨脚・雨足」

・雨脚は次第に速くなってきた
The beat of the rain gradually quickend.

・雨足が強くなった
It has started raining harder.

・雨足が衰えた
The rain has 「eased off [letup]

(プログレッシブ和英中辞典)



あまあし【雨脚、雨足】

・夏の夕立は雨脚が速い
A summer shower passes very rapidly.

雨脚が激しくなった
It has started raining harder [heavier].
The rain has begun to fall harder [more heavily].

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-27

「天(あま)」の意味

天(あま)

(「あめ」の古形といわれる)

ひろびろとした大空。あめ。

万葉集〔8C後〕一五・三六〇二
「青によし 奈良の都に たなびける 安麻(アマ)の白雲 見れど飽かぬかも〈作者不詳〉」

(美しい日本語の辞典)



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あま【天】

(アメの古形)

そら。てん。

万葉集(15)
あまの白雲」

(広辞苑)



あめ【天】

①(「くに」に対する)天空。

古事記(下)
「雲雀は天に翔(かけ)る」

・雲雀:
ひばり


②(「つち」に対する)大空。

万葉集(5)
「天へ行かば 汝(な)がまにまに 地(つち)ならば 大君います」


③ 天つ神、造物主のすむ所。高天原(たかまのはら)。天上界。

(広辞苑)

2014-06-26

「油を絞る」の意味

油(あぶら)を絞(しぼ)る

人の失敗や欠点を厳しく叱ってこらしめる。ぎゅうぎゅうという目に会わせる。とっちめる。あぶらを取る。油を取る時、しめ木にかけて押しつぶすところから。「先生に絞られた」などと、単に「絞る」のかたちでも使う。

生〔1908〕〈田山花袋〉三二
「それで、娘は母親からしたたか油を絞られて居るのである」

(美しい日本語の辞典)



叱るより聞くでうまくいく 子どもの心のコーチング





[慣]油を絞(しぼ)る

[解]

(1)金銭などを手に入れるのに苦しい思いをする。

(2)厳しく叱ってとっちめる。こっぴどく責める。

「さんざん油を絞られた

(広辞苑)



油を絞・る

しかったり責めたりしてきつく懲らしめる。

「たっぷり油を絞・られた

(明鏡国語辞典)



[慣用]油を絞る

・あいつの油を絞ってやる
I'll give him a hard time.

・さんざん社長に油を絞られた
The president gave me a real scolding [〘口〙 talking-to].

(プログレッシブ和英中辞典)



油を絞る

・宿題を忘れて先生にさんざん油を絞られた(=ひどくしかられた)。
〘話〙 My teacher gave me a good talking-to because I didn't do my homework.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-25

「油を売る」の意味

油(あぶら)を売(う)る

仕事を怠けてむだ話をする。また、仕事の途中で時間をつぶして怠ける。江戸時代、髪油を売り歩く者が婦女を相手に話し込みながら商ったところから。

滑稽本・浮世床〔1813~23〕初・上
「すてきと油(あぶら)を売(うっ)たぜ」

(美しい日本語の辞典)



大島椿





[慣]油を売る

[解](江戸時代、婦女に髪油を売る者が、ゆっくりと話し込んで商売をしたからいう)無駄話に時を過ごす。また、用事の途中で時間をつぶす。

(広辞苑)



油を売・る

仕事の途中でむだ話などをして怠ける。

「立ち寄り先で油を売る

▼ 江戸時代、髪油の行商人が婦女を相手に話し込みながら商いをしたことから。

(明鏡国語辞典)



[慣用]油を売る

waste time in idle conversation; dawdle

(プログレッシブ和英中辞典)



油を売る

・彼はよく立ち寄り先で油を売る
He often messes around at a place he calls by.

・どこで油を売っていたんだ。
Where 「have you been [were you] wasting your time?
〘略式〙Where 「have you been [were you] goofing off?

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-24

「油照り(あぶらでり)」の意味

油照(あぶらで)り

風がなく、薄日がじりじりと照りつけて蒸し暑い天候。八月前半に多い。あぶらひでり。夏の季語。

家族会議〔1935〕〈横山利一〉
「家中ではここが一番涼しいので、油照りのじりじりした暑中は、多く泰子はここにゐた」

(美しい日本語の辞典)



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あぶら-でり【油照り】

空が薄曇りで風がなくじりじりと蒸し暑いこと。

〈[季]夏〉

(広辞苑)



あぶら-でり【油照り】

〘名〙

夏、風がなく薄日がじりじりと照りつけて、ひどく蒸し暑い天候。

(明鏡国語辞典)



あぶらでり【油照り】

あぶら汗がにじみ出てくるような暑さだが、空はうっすらと雲におおわれ、風はほとんどない天気。

気圧配置は南高北低の夏型となっていても、すぐ近くに前線があるときに多く、湿度が大で不快指数が高い。

(百科事典マイペディア)



あぶらでり【油照り】

muggy [sultry] weather

・油照りの日
a 「muggy [sultry] day

(新和英大辞典)

2014-06-23

「油雲(あぶらぐも)」の意味

油雲(あぶらぐも)

さかんに湧き起こる雲。

じゆりあの・吉助〔1919〕〈芥川龍之介〉三
「一団の油雲が湧き出でて、程なく凄じい大雷雨が、沛然(はいぜん)として刑場へ降り注いだ」

(補注)
漢語に「油雲(ゆううん)」があり、「文選 - 陸機」に「油雲翳高岑」とある。

(美しい日本語の辞典)



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はい-ぜん【沛然】

(1)盛大なさま。

(2)雨のさかんに降るさま。

沛然たる驟雨(しゅうう)」


しゅう-う【驟雨】シウ‥

急に降り出し、間もなく止んでしまう雨。にわかあめ。

(広辞苑)



はい-ぜん【沛然】

〘形動(トタル)〙

〔文〕雨が激しく降るさま。

沛然たる驟雨」

(明鏡国語辞典)

2014-06-22

「油がみへ火の付いたよう」の意味

油(あぶら)がみへ火(ひ)の付いたよう

ものをよくしゃべるさま。油に火の付いたよう。

ちなみに、「あぶらがみに水(みず)を注(そそ)ぐよう」といえば、油紙に水をかけても吸い込まないではじいてしまうことから、他人の言うことを全然聞き入れず、取り合わないことのたとえ。両方兼ね備えると始末に悪い。

(美しい日本語の辞典)



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[慣]あぶらがみへ火(ひ)の付(つ)いたよう

油紙に火がつくと、ぺらぺら燃えるところから、ものをよくしゃべるさまのたとえ。油に火の付いたよう。

*歌舞伎・梅雨小袖昔八丈(髪結新三)(1873)序幕
「柄(え)のねえ所へ柄をすげて油(アブラ)っ紙(カミ)へ火(ヒ)がつくやうにべらべら御託をぬかしゃアがりゃア」

(精選版 日本国語大辞典)



あぶら-がみ【油紙】

(ユシとも)

桐油(とうゆ)または荏油(えのあぶら)をひいたコウゾ製の和紙。防水を目的をする荷造り用または医療用。桐油紙。

べらべらしゃべるさまを「油紙に火の付いたよう」という。

(広辞苑)



あぶらがみ【油紙】

oilpaper

・彼女は油紙に火がついたようにしゃべりまくった。
She prattled on endlessly [like a house afire].
She was talking a mile a minute.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-20

「油風(あぶらかぜ)」の意味

油風(あぶらかぜ)

晩春の温暖な日和に南ないし南西から吹く風。主として、東海、近畿、瀬戸内海で船人が用いる。

あぶらまじ。あぶらまぜ。

《季・春》

(美しい日本語の辞典)



瀬戸の島旅 しまなみ海道+17島めぐり





あぶらかぜ【油風】

油まじ、油まぜとも。

油を流したような静かな風ということだが、まじは南寄りの風を示す。晩春の穏やかな晴天の日に吹いている風のこと。


まじ

〈まぜ〉とも。

真風とも書き、良い風の意味で、太平洋岸の各地で春から夏にかけて吹く南寄りの季節風をさす。

桜まじ、油まじ(油風)、日和(ひより)まじ等という表現もある。

(百科事典マイペディア)



まじ【真風】

〔太平洋岸で吹く南寄りの季節風〕

a southerly breeze

(新和英大辞典)



ばん-しゅん【晩春】

(1) 春の末。⇔ 早春。

(2) 陰暦3月の異称。〈[季]春〉

(広辞苑)



ばんしゅん【晩春】

late spring

・晩春のころ
late in spring

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-19

「阿鼻叫喚(あびきょうかん)」の意味

阿鼻叫喚(あびきょうかん)

非常な惨苦に陥って、号泣し救いを求めるさま。

「阿鼻」「叫喚」はともに仏教でいう八大地獄の一つ。そのうち阿鼻地獄は無間(むげん)地獄ともいい、生前最も重い罪を犯した者が落とされるという最悪の地獄で、そこに落ちた者の泣き叫ぶさまからきたことば。

黒い雨〔1965〕〈井伏鱒二〉
「幾十万にも及ぶ広島在住の無辜(むこ)の民を一瞬にして阿鼻叫喚の地獄に晒(さら)したということであります」

(美しい日本語の辞典)



アヴィーチー - ティム





あび-きょうかん【阿鼻叫喚】‥ケウクワン

〔仏〕

(1)阿鼻地獄の苦に堪えられないで泣き叫ぶさま。

(2)転じて、甚だしい惨状を形容する語。

阿鼻叫喚の巷と化す」

(広辞苑)



あび-きょうかん【阿鼻叫喚】-ケウクヮン

〘名〙

悲惨な状況に陥って泣き叫ぶこと。

「事故現場は阿鼻叫喚の巷(ちまた)と化した」

▼ 本来は、阿鼻地獄と叫喚地獄の意。

(明鏡国語辞典)



あびきょうかん【阿鼻叫喚】

shrieking in agony

・事故の現場はまさに阿鼻叫喚の巷(ちまた)と化した。
The scene of the accident was simply hell.

(プログレッシブ和英中辞典)



あびきょうかん【阿鼻叫喚】

Avici and Raurava, two of the eight burning hells in Buddhism.

・阿鼻叫喚の巷(ちまた)
the veriest hell;
simply hell;
a (veritable) pandemonium

・機内は一瞬にして阿鼻叫喚の巷と化した。
In an instant all hell broke loose inside the plane.

(新和英大辞典)

2014-06-18

「あばら屋」の意味

あばら屋(や)

荒れ果てた家。廃屋。破れ屋。自分の家をへりくだって言う際にも用いる。「あばら」は隙間の多いさまをいう古語。

燗〔1913〕〈徳田秋声〉六
「ごらんの通りの廃屋(あばらや)で、・・・私も悉皆(すっかり)零落(おちぶ)れてしまひましたよ」

(美しい日本語の辞典)



世界でいちばん美しい廃墟





あばら-や【荒屋】

(1)荒れはてた家。自分の家の謙称としても用いる。

源氏物語(澪標)
「人知れぬあばらやに」

(2)休憩所として設けた四方の囲いのない小さな建物。四阿(あずまや)。亭(ちん)。あばら。

(広辞苑)



あばら-や【荒ら屋・荒ら家】

〘名〙

荒れはてた粗末な家、また、自分の家を謙遜(けんそん)していう語。

「こんなあばらやによくいらっしゃいました」

▼ 「あばら」はすき間が多いの意。

(明鏡国語辞典)



あばらや【荒屋・荒家】

(1)〔荒れた家〕
a tumble-down house; a dilapidated house

(2)〔謙遜(けんそん)して, 自分の家〕
my tumble house

(プログレッシブ和英中辞典)



あばらや【荒ら屋】

〘むさ苦しいぼろ家〙
shabby house

〘掘っ立て小屋〙
shack

・海辺に吹きさらしのあばらやが建っていた。
A weather-beaten shack stood beside the sea.

・その家はあばらやのようだった
That house looked shabby.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-17

「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」の意味

痘痕(あばた)も靨(えくぼ)

ほれていると相手の欠点も欠点とは見えないで、長所のように見えるものだということ。また、ひいき目で見れば醜いものも美しく見える意にいう。

好きになると相手のあばた(天然痘が治ったあと皮膚に残る跡)でもえくぼのように見える意から。

天然痘
高熱とともに赤い発疹が出て膿疱(のうほう)となり、後にそれが瘢痕(はんこん)化してあばたになる病気だが、WHO(世界保健機関)によって、1979年に根絶が宣言された。

(美しい日本語の辞典)



肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法 - 美肌には化粧水もクリームもいりません





[慣]痘痕も靨(えくぼ)

[解]好きになると欠点まで好ましく見える意。

(広辞苑)



あばたも靨(えくぼ)

ほれてしまえば、相手の欠点も長所のように見えるものだ。

(明鏡国語辞典)



あばた【痘痕】

a pockmark (▼ 通例複数形)

・あばた面
a pockmarked [pocked] face

・あばたもえくぼ
〘諺〙Love is blind

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-16

「あに図らんや」の意味

あに図(はか)らんや

思いがけないことには、の意。

「あに・・・や」は「どうして・・・しようか、いや、・・・しない」という反語の意を表す。

次に来る文で表現される事態が予想外の時に使う。

落語・お節徳三郎 恋の仮名文〔1889〕〈禽語楼小さん〉
「今まで好(い)いお天気と思ひきや豈図(あにはか)らんやズイと曇って来やした」

(美しい日本語の辞典)



ゼロから分かる!図解落語入門





[慣]豈図らんや

[解]どうしてそんなことを予測しようか。意外にも。思いがけず。

(広辞苑)



豈図(はか)らんや

意外にも。

豈図らんや彼が犯人であったとは」

▼ どうしてそんなことが思いつこうかの意から。

(明鏡国語辞典)



あにはからんや【豈図らんや】

一体、だれがそうなることを予期しただろうか、意外にも。 

(新明解国語辞典)



あにはからんや【豈図らんや】

・ためしにその大学を受けてみたら、あにはからんや、合格してしまった。

I just took the entrance exam for that university with no expectation of passing, but 「contrary to my expectations [to my great surprise], I passed.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-15

「穴場(あなば)」の意味

穴場(あなば)

人が見過ごしているよい場所。よい行楽地や店などで人にあまり知られていないところをいう。

青べか物語〔1960〕〈山本周五郎〉水汲みばか
「釣りの穴場を知っている点では」

(美しい日本語の辞典)



福岡 路地に隠れたうまい店





あな-ば【穴場】

人が見のがしている恰好(かっこう)の場所。

「釣りの穴場

(広辞苑)



あな-ば【穴場】

〘名〙

(1)利益・獲物などが多いが、まだ一般には知られていない所。

「釣り[行楽地]の穴場

(2)〔俗〕競馬・競輪などで、投票券の売り場。

(明鏡国語辞典)



あなば【穴場】

an exellent place not many people know about

・よく釣れる穴場
a great spot for fishing

・ニューヨークの穴場を彼に案内してもらった
He took me to some little-known hot spots in New York.

・この温泉[店]は穴場である
This hot spring resort [This shop] is a real find.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-14

「あなぜ」の意味

あなぜ

(「あな」は感動詞、「せ」は風の意)

西北風。しばしば船を苦しめる悪い風。吹いたあとは平穏となるともいう。あなじ風(かぜ)。

《季・冬》

歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語〔1770〕口明
西北風(あなせ)かと思やまぜなり」

(美しい日本語の辞典)



あの頃映画「野口五郎 季節風」





あなじ

冬、北西から吹く風。しばしば航行の妨げとなる。あなぜ。

〈[季]冬〉

後拾遺和歌集(旅)
あなじ吹く 瀬戸のしほあひに 舟出して」


あなじ-け

あなじが吹いて来て、雪・雨などを催すけはい。

堀河百首(冬)
あなじけの 雪より先に たきぎこりつむ」

(広辞苑)



あなじ

あなし、あなぜとも。主として西日本で冬の北西季節風のことをいう。

(百科事典マイペディア)



きせつふう【季節風】

〘海〙
a periodic wind
a seasonal wind

〔インド洋の〕
a monsoon

・日本海側の冬は季節風のため降雪量が多い。
In winter the prevailing winds bring heavy snows to the Japan Sea side.

・反対季節風
〘気象〙 an antimonsoon

・季節風気候
〘気象〙 a monsoon climate

(新和英大辞典)

2014-06-13

「穴があったら入りたい」の意味

穴(あな)があったら入(はい)りたい

穴に身を隠してしまいたいほどの恥ずかしさを感じているさま。失敗などをして、強い恥ずかしさを感じていることを表す表現。

(美しい日本語の辞典)



恥をかくのが死ぬほど怖いんだ。





[慣]穴があれば入りたい

[賈誼(かぎ)新書(審微)]
恥じいって身を隠したいほどに思う。

(広辞苑)



[慣用]穴があったら入りたい

・恥ずかしくて穴があったら入りたいぐらいだ

I'm so embarrassed that I wish the earth would swallow me up.

(プログレッシブ和英中辞典)



穴があったら入りたい

・みんなの前で恥ずかしいまねをしてしまって、穴があったら入りたい

I behaved quite shamefully in public and I wish the ground would (open and) swallow me up.

(ジーニアス和英辞典)

2014-06-12

「後の白波」の意味

後の白波(あとのしらなみ)

舟の航跡として残る白波のことで、はかない情趣、また、はかないもののたとえ。

「万葉集 - 三・三五一」の沙弥満誓(しゃみまんせい)の歌の異伝である、「拾遺和歌集 - 哀傷・一三二七」の「世の中を 何にたとへむ 朝ぼらけ 漕ぎゆく舟の あとのしら浪」による表現。

(美しい日本語の辞典)



薩摩酒造 さつま白波 芋焼酎 白波五人男 飲み比べセット





しら-なみ【白波・白浪】

(1)白く泡立つなみ。

(2)(「白波(はくは)の賊」の「白波」を訓読したもの)盗賊の異称。


しらなみ-の【白波の】

〘枕〙「よる」「かへる」などにかかる。


しらなみ-もの【白浪物】

盗賊を主人公とする歌舞伎狂言などの総称。講談の松林(しょうりん)伯円、歌舞伎の河竹黙阿弥が得意とした。「白浪五人男」「白浪五人女」「三人吉三」「鼠小僧」の類。

(広辞苑)



しら-なみ【白波(白浪)】

〘名〙

(1)泡だって白く見える波。また、白くくだけた波。

(2)盗賊。どろぼう。

白浪五人男」

▼ 『後漢書』にある「白波賊(はくはぞく)」にちなむ語。

(明鏡国語辞典)



しらなみ【白波・白浪】

white [whitecapped] waves

〘米〙whitecaps
〘英〙white horses

・海は白波が立っている
There are whitecaps on the sea.

・舟が白波をけたてて走っている
A ship is sailing over the white waves.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-11

「後釜(あとがま)」の意味

後釜(あとがま)

かまどに、残り火があるうちに次の釜をかけること。また、その釜。

転じて、前人の退いたあとの地位。また、その地位につく人。後任。特に後妻をいうことも多い。

後釜に据える」「後釜に納まる」 などの形でよく使う。

(美しい日本語の辞典)



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あと-がま【後釜】

(火種が絶えないうちに次にかける釜の意)

(1)前任者のかわりにつく地位。また、その地位につく人。後任者。

後釜にすわる」

(2)後添いの妻。後妻。

(広辞苑)



あと-がま【後釜】

〘名〙

後任としてその地位につくこと。また、その人。

「会長の後釜にA氏が座る」

▼ もと、火種が絶えないうちに次にかける釜の意。

(明鏡国語辞典)



あとがま【後釜】

(1)〔後任〕a successor (to)

・人の後釜に座る
succeed to a person's post

・田中の後釜に鈴木を据えた
They put Suzuki in Tanaka's place.

・彼は田中氏を陥れ、さっさと自分が後釜に座った
He engineered Mr. Tanaka's downfall and then took over his position.


(2)ごさい(後妻)
one's second wife

・彼は後妻を迎えた
He married again.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-10

「当て馬(あてうま)」の意味

当て馬(あてうま)

めす馬の発情の有無をしらべるために、おす馬を近づけてみること。また、そのおす馬。転じて、相手の様子を探るために仮の者を表面に出すこと。また、その者。

秋の一夜〔1954〕〈中野重治〉
「選挙に木村を立ててアテ馬に使う」

(美しい日本語の辞典)



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あて-うま【当て馬】

(1)牝馬の発情を検査し、あるいは促すための牡馬。

(2)転じて、優勢な者を牽制するために、仮に推し立てた者。

当て馬候補」

[慣]当て馬にする
[解]自己の野心を隠しておき、表面的には他の人をその位置に推す。

(広辞苑)



あて-うま【当て馬】

〘名〙

(1)めす馬の発情の有無を調べるために近づけるおす馬。

(2)相手の様子を探るために仕立てられたかりの者。

当て馬候補」

(明鏡国語辞典)



あてうま【当て馬】

[I]〔種付け前にあてがわれる雄馬〕
a teaser; a stallion used to test the readiness of a mare to mate

[II]〔相手の様子を探るためだけの対抗者〕

・当て馬候補
((be)) a stalking-horse ((for a person))

・彼は当て馬候補に過ぎない
He announced his candidacy only to test the waters for another potential candidate. / He's not a serious candidate, just a spoiler.

・彼を先発メンバー表に当て馬として入れて相手チームの出方を探った
They entered him on the list of starters to test the other team's reaction.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-09

「羹に懲りて膾[韲]を吹く」の意味

羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)[韲(あえもの)]を吹(ふ)く

一度の失敗にこりて、必要以上の用心をするたとえ。熱かった吸い物にこりて、膾や韲物のような冷たい料理も吹いてさます意から。

出展は「楚辞 - 九章」から。

虞美人草(ぐびじんそう)[1907]〈夏目漱石〉一五
羹(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹(ふ)くは、株(しゅ)を守って兎(うさぎ)を待つと、等しく一様の大律(たいりつ)に支配せらる」

(美しい日本語の辞典)



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[慣]羹に懲りて膾(なます)を吹く

[解]羹の熱いのにこりて、冷たい膾をも吹いて食う。一度失敗したのにこりて無益な用心をする。羹に懲りたる者韲(あえ)を吹く。

(広辞苑)



羹に懲(こ)りて膾(なます)を吹く

失敗にこりて、必要以上に用心深くなる。

▼ 熱かった羹にこりて膾のような冷たい料理も吹いて冷ます意からいう。

(明鏡国語辞典)



あつもの【羹】

hot soup [broth]

・羹に懲りて膾 (なます) を吹く
〘諺〙Once bitten, twice shy. / A burnt child fears the fire.

(プログレッシブ和英中辞典)

2014-06-08

「暑さ寒さも彼岸まで」の意味

暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)

残暑のきびしさも秋の彼岸ともなればめっきり衰え、余寒のきびしさも春の彼岸頃にはいちだんと薄らぐものだの意。

暑い寒いも彼岸まで。

「彼岸」は仏教語で、ここでは春分・秋分の日の前後七日間にわたり行われる彼岸会(ひがんえ)のころのことをいう。

(美しい日本語の辞典)



二十四節気に合わせ心と体を美しく整える - 医者にも薬にも頼らない和の暮らし





[慣]暑さ寒さも彼岸(ひがん)まで

[解]春秋の彼岸を境として、寒暑それぞれ衰えて、よい気候になる。

(広辞苑)



暑さ寒さも彼岸まで

Neither heat nor cold lasts until the equinox (days).

・equinox:
春[秋]分、昼夜平分時、〘天〙分点

(ウィズダム和英辞典)

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