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2014-07-11

「天雲(あまぐも)」の意味

天雲(あまぐも)

(古くは「あまくも」)空の雲。

万葉集〔8C後〕二〇・四二九六
安麻久母(アマクモ)に 雁そ鳴くなる 高円の 萩の下葉は 黄葉(もみち)あへむかも〈中臣清麻呂〉」

(補注)「天雲の」は、枕詞。

(1)雲が、ゆくえ定めず空を漂うところから、「たどきも知らず」「たゆたふ」「ゆくらゆくら」「浮く」などにかかる。

(2)雲が、空のはるか遠いところにあるというところから、「奥処(おくか)も知らず」「はるか」「上(うわ)」などにかかる。

(3)雲が、ちぎれて離れ離れになるところから、「別れ」「外(よそ)」などにかかる。

(4)雲が、空を飛んで去ってしまうところから、「行く」「晴る」にかかり、飛び去っても再び戻って来るように見えるところから、「行き還(かえ)り」などにかかる。

(美しい日本語の辞典)



雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑





あま-ぐも 【天雲】

(古くは清音か) 天の雲。

万葉集 (3)
天雲の雷 (いかずち) の上に」

あまぐも-の 【天雲の」

〘枕〙

「たゆたふ」 「行く」 「別る」 「よそ」 「おくかも知らず」 などにかかる。

(広辞苑)



あま-ぐも【天雲】(名)

〔上代は「あまくも」〕空にある雲。雲。

[万葉]10・2231
天雲はれて月夜(つくよ)さやけし」

[訳]
空にある雲が晴れて月の光が明るく澄んでいる。

(全訳古語辞典)

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