幾(いく)ばく
どれほど。どれくらい。
特に、それがわずかである場合に用いる。
「余命幾ばくもない」
「幾ばくかの金を包む」
などと使う。
*万葉集〔8C後〕九・一八〇七
「幾時(いくばく)も生けらじものを〈虫麻呂歌集〉」
*伊勢物語〔10C前〕七八
「御随身、舍人して取りにつかはす。いくばくもなくて持て来ぬ」
・御 随身:
み ずいじん
・舎人:
とねり / しゃじん
▷ 伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
(美しい日本語の辞典)
いくば-く 【幾何・幾許】
① どれほど。どんなに多く。
万葉集(8)
「我が背子と 二人見ませば 幾許か この降る雪の 嬉しからまし」
・背子: せこ
(女が、兄弟・恋人・夫など男を親しんでいう称)
② (「も」を伴い、否定・反語に用いる) なにほども。
万葉集(11)
「いくばくも降らぬ雨ゆゑ」
「余命いくばくもない」
(広辞苑)
いくばく 【幾許】
● いくばくもなく
before long; soon
● いくばくかの金
a small sum of [some, a little] money; what little money one has
・彼の余命はいくばくもない。
His days are numbered. / He doesn't have long to live. / He will die soon.
(ウィズダム和英辞典)
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