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2018-05-04

「天原(あまのはら)」の意味

あま-の-はら【天原】

〘名〙

1. (「はら」はひろびろとした平らな所をさす)広く大きな空。

*万葉 (8C後) 一五・三六六二
安麻能波良(アマノハラ) ふりさけ見れば 夜そふけにける よしゑやし 一人寝(ぬ)る夜は 明(あ)けば明けぬとも」

*古今 (905-914) 羇旅・四〇六
あまの原 ふりさけみれば かすがなる みかさの山に いでし月かも 〈阿倍仲麿〉」

・羇旅:
きりょ


2. 天つ神が統治する天上界。高天原。

*書紀 (720) 神代上 (水戸本訓)
「弟(なせのみこと)来ませる所以(ゆえ)は是れ善き意に非(あら)じ。必ず当に我が天原(アマノはら)を奪(うば)はむとならむ」

[枕] (富士山が天に高くそびえ立っているところから) 「富士」にかかる。また、「空」の枕詞としても用いる。

*万葉 (8C後) 一四・三三五五
安麻乃波良(アマノハラ) 富士の柴山 木の暗(くれ)の 時移(ゆつ)りなば 逢はずかもあらむ」

(精選版 日本国語大辞典)



落語で読む古事記 はじまりは高天原





あまの-はら【天の原】

1. おおぞら。

万葉集(2)
天の原 振り放(さ)け見れば」


2. 日本神話の天上界。高天原(たかまのはら)。

古事記(上)
「吾が隠(こも)りますによりて天の原おのづから闇(くら)く」

(広辞苑)



あまのはら【天の原】

the sky; the heavens.

(新和英大辞典)



あまのはらふりさけみれば〈名歌名句〉

《和歌》 百人一首
天(あま)の原(はら) ふりさけ見れば 春日(かすが)なる 三笠(みかさ)の山に 出(い)でし月かも】

作者: 阿倍仲麻呂

出典: 古今集・九・羇旅・四〇六

訳: 大空を遠くふり仰いでみると、月がのぼっているが、それは、かつて故国の春日にある三笠山にのぼった、あの月と同じ月であるなあ。

(古語林 古典文学辞典/名歌名句辞典)

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