秋の空(あきのそら)
秋、晴れわたって高く見える空。秋晴れの空。あきぞら。
《季・秋》
後撰和歌集〔951~953頃〕秋下・四二三〈右近〉
「おほかたの 秋のそらだに わびしきに 物思ひそふる 君にもある哉」
▷ 秋の気ままなひとり旅
秋空(あきぞら)
「秋の空」に同じ。
《季・秋》
俳諧・続猿蓑(ぞくさるみの)〔1698〕秋〈酒堂〉
「秋空や 日和くるはず 柿のいろ」
秋梅雨入・秋黴雨(あきついり)
(「ついり」は「つゆ入り」の変化した語)
秋の頃、梅雨のように、いつまでも雨が降り続くこと。また、その雨。
《季・秋》
俳諧・猿蓑〔1691〕三・秋〈史邦(ふみくに)〉
「はてもなく 瀬の鳴る音や 秋黴雨(あきついり)」
秋の雨
秋に降る雨。しみじみと身にしみるような冷たい雨とされる。あきさめ。
《季・秋》
万葉集〔8C後〕八・十五七三〈大伴利上〉
「秋之雨(あきのあめ)に 濡れつつをれば賤(いや)しけど 吾妹(わぎも)が屋戸(やど)し 思ほゆるかも」
秋の嵐
野分(のわき)より弱い程度の風をいう。
《季・秋》
秋の風
秋に吹くつめたい風。
《季・秋》
万葉集〔8C後〕四・四八八〈額田王(ぬかたのおおきみ)〉
「君待つと あが恋ひをれば わが屋戸の すだれ動かし 秋風(あきのかぜ)吹く」
(美しい日本語の辞典)
あき-の-そら【秋の空】
① 秋の晴れて高く見える空。秋天。〈季・秋〉
② (曇ったり晴れたり定めないことから)心の変わりやすいことのたとえ。
「男心と秋の空」
(広辞苑)
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