ほんの少し。わずか。名詞的にも用いる。現代ではやや改まった文語的な表現として用いられる。
*徒然草〔1331 頃〕二三八
「昔の人はいささかの事をも、いみじく自讃したるなり」
・徒然草:
つれづれぐさ
・自讃:
じさん(自賛)
(美しい日本語の辞典)
▷ 絵本 徒然草 上
いささか【些か・聊か】
〘名・副〙
① すこし。わずか。
竹取物語
「いささか なる功徳を、翁つくりけるによりて」
源氏物語(賢木)
「さか木を いささか をりて持給へりけるを」
・賢木:
さかき
「いささか 参ったよ」
「いささか の自信がある」
② かりそめ。ついちょっと。
万葉集(19)
「いささか に思ひて来(こ)しを」
③ (下に否定の語を伴って)すこしも。いささかも。
源氏物語(若紫)
「いささか 疎くはづかしとも思ひたらず」
・若紫:
わかむらさき
(広辞苑)
いささか【〈些(か)・〈聊か】
(副)
〔「か」は接辞〕
たいした程度ではないが、無視しきれないものであると判断する様子。
「その点が いささか 心配だ」
「いささか もって恐れ入る」
「いささか ならず〔=とても〕驚かされた」
「いささか も〔=少しも〕ゆるがせにしない」
(新明解国語辞典)
いささか
〘少し〙
a little (bit);
〘多少〙
somewhat, rather
・寄付金総額は目標額にはいささか足りなかった。
The amount of donation fell a little short of our goal.
・彼はいささか返事に窮した。
He was somewhat at a loss for an answer.
・今日はいささか疲れた。
I'm rather tired today.
・彼はその悲報にいささかも動じなかった。
He was not upset at all at the sad news.
(ジーニアス和英辞典)
いささか
● いささかならず(=少なからず)
〘書〙 not a little; very 〘disappointed〙
・その結果にいささか(=少し)失望した。
I was a little [〘話〙a bit, (いくぶん)〘やや書〙somewhat] disappointed at the result.
・彼はその知らせにいささかも動揺しなかった。
He was not at all upset by the news.
(ウィズダム和英辞典)