十六夜(いざよい)
「いざよいの月(陰暦十六日の夜に出る月)」の略。特に、陰暦八月十六日の月。
満月に比べると翌晩十六日の月はやや遅く出るところから、「いざよい(とどこおる意の動詞「いざよう」の名詞形)」と呼んだもの。
秋の季語。
ちなみに、鎌倉時代の阿仏尼の日記「十六夜日記」は作者の旅立ちの日付が十月十六日だったところからの書名。
*源氏物語〔1001 〜 14頃〕葵
「かのいさよひのさやかならざりし秋の事など」
・阿仏尼:
あぶつに
(美しい日本語の辞典)
▷ 月の満ちかけをながめよう
いざよい イザヨヒ
(上代ではイサヨヒと清音)
① いざようこと。進もうとして進まないこと。ためらうこと。
万葉(14)
「青嶺(ね)ろに たなびく雲の いさよひに」
② (「十六夜」と書く)
ア. 「いざよいの月」の略。
イ. 陰暦16日。また、その夜。〈季・秋〉
(広辞苑)
いざよい 【十六夜】
〘陰暦16日の夜〙
the sixteenth night of a lunar month;
〘十六夜の月〙
the moon on the sixteenth night of the eighth lunar month
(ジーニアス和英辞典)
いざよい 【十六夜】
the sixteenth night (of the lunar month);
the night after the full moon
・いざよいの月
a moon sixteen days old;
a sixteen-day-old moon
・月はいざよいあたりか、風もなく穏やかな夜でした。
It was a calm night with no wind, and the moon just beginning to wane.
(新和英大辞典)
2021-01-31
2021-01-24
「勇み肌(いさみはだ)」の意味
勇(いさ)み肌(はだ)
威勢がよく、強者をくじき弱者をいたわる任侠の気風。おとこ気ある侠客的な気性。また、その人。伝法肌。
・任侠:
にんきょう
・気風:
きふう
・侠客:
きょうかく
・伝法:
でんぽう
ちなみに、江戸の町火消しとして知られるいろは四十八組が誕生する顛末を描いた映画のタイトルが「勇み肌千両男」(1958年)であった。
・顛末:
てんまつ
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802 〜 09〕四・下
「三人づれの旅人、是もゑどもの〔=江戸者〕と見へて、すこしいさみ肌のまき舌にて」
・東海道中 膝栗毛:
とうかいどうちゅう ひざくりげ
(美しい日本語の辞典)
▷ 東映任侠映画傑作 DVD コレクション 116号
いさみ-はだ【勇み肌】
おとこだての気風。任侠の風。競肌(きおいはだ)。
(広辞苑)
いさみはだ【勇み肌】
〔気質・気風〕〜の
manly; chivalrous; gallant; dashing; spirited; impetuous
・勇み肌の若い衆
gallant young lads;
upstanding young guys
(新和英大辞典)
いさみはだ【勇み肌】
● 勇み肌の男
a chivalrous(-spirited) man;
a gallant(-spirited) man
(ウィズダム和英辞典)
威勢がよく、強者をくじき弱者をいたわる任侠の気風。おとこ気ある侠客的な気性。また、その人。伝法肌。
・任侠:
にんきょう
・気風:
きふう
・侠客:
きょうかく
・伝法:
でんぽう
ちなみに、江戸の町火消しとして知られるいろは四十八組が誕生する顛末を描いた映画のタイトルが「勇み肌千両男」(1958年)であった。
・顛末:
てんまつ
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802 〜 09〕四・下
「三人づれの旅人、是もゑどもの〔=江戸者〕と見へて、すこしいさみ肌のまき舌にて」
・東海道中 膝栗毛:
とうかいどうちゅう ひざくりげ
(美しい日本語の辞典)
▷ 東映任侠映画傑作 DVD コレクション 116号
いさみ-はだ【勇み肌】
おとこだての気風。任侠の風。競肌(きおいはだ)。
(広辞苑)
いさみはだ【勇み肌】
〔気質・気風〕〜の
manly; chivalrous; gallant; dashing; spirited; impetuous
・勇み肌の若い衆
gallant young lads;
upstanding young guys
(新和英大辞典)
いさみはだ【勇み肌】
● 勇み肌の男
a chivalrous(-spirited) man;
a gallant(-spirited) man
(ウィズダム和英辞典)
2021-01-17
「勇み足(いさみあし)」の意味
勇(いさ)み足(あし)
相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から土俵の外へ足を踏み出すこと。足を踏み出したほうは負けになる。
転じて、物事を行う際に、調子にのりすぎて目的をはずれたり、仕損じたりすること。
*白く塗りたる墓〔1970〕〈高橋和巳〉三
「そういうことがなけりゃ、若い記者の勇み足ということですむ」
・高橋 和巳:
たかはし かずみ
(美しい日本語の辞典)
▷ 相撲観戦入門 2020
いさみ-あし【勇み足】
① 相撲の非技の一つ。相手を土俵際へ追いつめながら勢い余って相手より先に足を出して負けること。
② 転じて、つい勢いにのって、やり損なうこと。
(広辞苑)
いさみあし【勇み足】
① [やりすぎ・行きすぎ]
・彼女に辞職せよと迫ったのは勇み足だった。
Pressing her to resign went a little too far.
・あのように請け合ったのは君の勇み足だと思う。
I think you overplayed your hand by giving that guarantee.
② [相撲]
forward step-out
・勇み足で負ける
lose a bout by mistakenly [accidentally] stepping out of the (sumo) ring
(ジーニアス和英辞典)
いさみあし【勇み足】
・彼の勇み足で計画がつぶれてしまった。
Because he went too far, the project failed.
His hasty [reckless] action ruined the project.
・あの発言は勇み足でした。取り消します。
I got carried away and said that. I take it back.
・大関は勇み足で負けた。
The ozeki lost the bout by accidentally stepping out of the ring.
(オーレックス和英辞典)
相撲で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から土俵の外へ足を踏み出すこと。足を踏み出したほうは負けになる。
転じて、物事を行う際に、調子にのりすぎて目的をはずれたり、仕損じたりすること。
*白く塗りたる墓〔1970〕〈高橋和巳〉三
「そういうことがなけりゃ、若い記者の勇み足ということですむ」
・高橋 和巳:
たかはし かずみ
(美しい日本語の辞典)
▷ 相撲観戦入門 2020
いさみ-あし【勇み足】
① 相撲の非技の一つ。相手を土俵際へ追いつめながら勢い余って相手より先に足を出して負けること。
② 転じて、つい勢いにのって、やり損なうこと。
(広辞苑)
いさみあし【勇み足】
① [やりすぎ・行きすぎ]
・彼女に辞職せよと迫ったのは勇み足だった。
Pressing her to resign went a little too far.
・あのように請け合ったのは君の勇み足だと思う。
I think you overplayed your hand by giving that guarantee.
② [相撲]
forward step-out
・勇み足で負ける
lose a bout by mistakenly [accidentally] stepping out of the (sumo) ring
(ジーニアス和英辞典)
いさみあし【勇み足】
・彼の勇み足で計画がつぶれてしまった。
Because he went too far, the project failed.
His hasty [reckless] action ruined the project.
・あの発言は勇み足でした。取り消します。
I got carried away and said that. I take it back.
・大関は勇み足で負けた。
The ozeki lost the bout by accidentally stepping out of the ring.
(オーレックス和英辞典)
2021-01-10
「些か(いささか)」の意味
些(いささ)か
ほんの少し。わずか。名詞的にも用いる。現代ではやや改まった文語的な表現として用いられる。
*徒然草〔1331 頃〕二三八
「昔の人はいささかの事をも、いみじく自讃したるなり」
・徒然草:
つれづれぐさ
・自讃:
じさん(自賛)
(美しい日本語の辞典)
▷ 絵本 徒然草 上
いささか【些か・聊か】
〘名・副〙
① すこし。わずか。
竹取物語
「いささか なる功徳を、翁つくりけるによりて」
源氏物語(賢木)
「さか木を いささか をりて持給へりけるを」
・賢木:
さかき
「いささか 参ったよ」
「いささか の自信がある」
② かりそめ。ついちょっと。
万葉集(19)
「いささか に思ひて来(こ)しを」
③ (下に否定の語を伴って)すこしも。いささかも。
源氏物語(若紫)
「いささか 疎くはづかしとも思ひたらず」
・若紫:
わかむらさき
(広辞苑)
いささか【〈些(か)・〈聊か】
(副)
〔「か」は接辞〕
たいした程度ではないが、無視しきれないものであると判断する様子。
「その点が いささか 心配だ」
「いささか もって恐れ入る」
「いささか ならず〔=とても〕驚かされた」
「いささか も〔=少しも〕ゆるがせにしない」
(新明解国語辞典)
いささか
〘少し〙
a little (bit);
〘多少〙
somewhat, rather
・寄付金総額は目標額にはいささか足りなかった。
The amount of donation fell a little short of our goal.
・彼はいささか返事に窮した。
He was somewhat at a loss for an answer.
・今日はいささか疲れた。
I'm rather tired today.
・彼はその悲報にいささかも動じなかった。
He was not upset at all at the sad news.
(ジーニアス和英辞典)
いささか
● いささかならず(=少なからず)
〘書〙 not a little; very 〘disappointed〙
・その結果にいささか(=少し)失望した。
I was a little [〘話〙a bit, (いくぶん)〘やや書〙somewhat] disappointed at the result.
・彼はその知らせにいささかも動揺しなかった。
He was not at all upset by the news.
(ウィズダム和英辞典)
ほんの少し。わずか。名詞的にも用いる。現代ではやや改まった文語的な表現として用いられる。
*徒然草〔1331 頃〕二三八
「昔の人はいささかの事をも、いみじく自讃したるなり」
・徒然草:
つれづれぐさ
・自讃:
じさん(自賛)
(美しい日本語の辞典)
▷ 絵本 徒然草 上
いささか【些か・聊か】
〘名・副〙
① すこし。わずか。
竹取物語
「いささか なる功徳を、翁つくりけるによりて」
源氏物語(賢木)
「さか木を いささか をりて持給へりけるを」
・賢木:
さかき
「いささか 参ったよ」
「いささか の自信がある」
② かりそめ。ついちょっと。
万葉集(19)
「いささか に思ひて来(こ)しを」
③ (下に否定の語を伴って)すこしも。いささかも。
源氏物語(若紫)
「いささか 疎くはづかしとも思ひたらず」
・若紫:
わかむらさき
(広辞苑)
いささか【〈些(か)・〈聊か】
(副)
〔「か」は接辞〕
たいした程度ではないが、無視しきれないものであると判断する様子。
「その点が いささか 心配だ」
「いささか もって恐れ入る」
「いささか ならず〔=とても〕驚かされた」
「いささか も〔=少しも〕ゆるがせにしない」
(新明解国語辞典)
いささか
〘少し〙
a little (bit);
〘多少〙
somewhat, rather
・寄付金総額は目標額にはいささか足りなかった。
The amount of donation fell a little short of our goal.
・彼はいささか返事に窮した。
He was somewhat at a loss for an answer.
・今日はいささか疲れた。
I'm rather tired today.
・彼はその悲報にいささかも動じなかった。
He was not upset at all at the sad news.
(ジーニアス和英辞典)
いささか
● いささかならず(=少なからず)
〘書〙 not a little; very 〘disappointed〙
・その結果にいささか(=少し)失望した。
I was a little [〘話〙a bit, (いくぶん)〘やや書〙somewhat] disappointed at the result.
・彼はその知らせにいささかも動揺しなかった。
He was not at all upset by the news.
(ウィズダム和英辞典)
2021-01-03
「潔しとせず」の意味
潔(いさぎよ)しとせず
あることを自分の考え、信念に照らして好ましいと思わない。不満に思って受け入れない。
*虞美人草〔1907〕〈夏目漱石〉一一
「相手に合槌(あひづち)を打つ事を屑(いざぎよし)とせざる時に」
・虞美人草:
ぐびじんそう
▷ 虞美人草
(美しい日本語の辞典)
[慣]潔しとせず
[解]自分の良心や誇りから、受け入れにくい。自ら許し得ない。
「官につくを 潔しとせず」
(広辞苑)
● 潔しとしない
・彼は弱者に対して権力を振るうことを潔しとしなかった。
He scorned [disdained] exercising his power over the weak.
・他人から援助を受けることを潔しとしない
be too proud to accept help from others
(ジーニアス和英辞典)
あることを自分の考え、信念に照らして好ましいと思わない。不満に思って受け入れない。
*虞美人草〔1907〕〈夏目漱石〉一一
「相手に合槌(あひづち)を打つ事を屑(いざぎよし)とせざる時に」
・虞美人草:
ぐびじんそう
▷ 虞美人草
(美しい日本語の辞典)
[慣]潔しとせず
[解]自分の良心や誇りから、受け入れにくい。自ら許し得ない。
「官につくを 潔しとせず」
(広辞苑)
● 潔しとしない
・彼は弱者に対して権力を振るうことを潔しとしなかった。
He scorned [disdained] exercising his power over the weak.
・他人から援助を受けることを潔しとしない
be too proud to accept help from others
(ジーニアス和英辞典)
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