あま-た【数多】
〘副〙(名詞的に用いられる場合もある)
1.(主として形容詞にかかる)程度のはなはだしいさま。非常に。大変。
*万葉(8C後)一ニ・三一八四
「草枕 旅行く君を 人見多み 袖振らずして 安万田悔しも」
2. 数量の多いさま。数多く。たくさん。
㋑ 単独で連用修飾語となる。
*書紀(720)允恭八年ニ月・歌謡
「ささらがた 錦の紐を 解きさけて、阿麻哆は寝ずに ただ一夜のみ」
・允恭:
いんぎょう
*源氏(1001-14頃)桐壺
「女御更衣あまたさぶらひ給ひける中に」
・女御:
にょうご、にょご
㋺ 直接または「の」を介して、下の体言を修飾する。
*宇津保 (970-999頃) 藤原の君
「あまたの人のよろこびをなさむに」
*天草本伊曾保物語 (1593) ネテナボ帝王イソポに御不審の条々
「Greçia ノ クニカラ amatano ザウヤクヲ ヒキヨセタガ」
・伊曾保物語:
いそほものがたり(イソップ物語)
㋩ 多くのもの、人などの意で、格助詞「が」「に」等を伴う、名詞的用法。
*古今 (905-914) 夏・一三六
「あはれてふことをあまたにやらじとや 春におくれてひとり咲くらん 〈紀利貞〉」
*史記抄 (1477) 八
「諸呂とて、あまたが一同なれども、其中で呂産が首(かしら)ぢゃほどに」
(精選版 日本国語大辞典)
▷ たくさんのタブー
あま-た【数多】
〘名・副〙
①(数量について)多く。たくさん。
允恭紀
「あまたは寝ずにただ一夜のみ」
「あまたの人」
「引く手あまた」
②(程度について)非常に。甚だしく。
万葉集(7)
「沖つ波 騒くを聞けば あまた悲しも」
(広辞苑)
あま-た【〈数多〉・〈許多〉】
〘名・副〙
〔やや古風な言い方で〕
数多く。たくさん。多数。
「あまたの候補者がひしめき合う激戦区」
「引く手あまたのエンジニア」
(明鏡国語辞典)
あまた【数多】
・引く手あまたである
receive invitations from many different quarters; be invited fere and there: be sought after
・実例をあまた示す
cite [give] numerous examples.
・当社はあまたある企業の中で、社員の厚生にもっとも配慮している会社だ。
Of all the various enterprises, our company gives the greatest consideration to the welfare of its employee.
・彼はあまたの先輩力士を追いこして横綱に昇りつめた。
Outstripping many older [senior] wrestlers, he has climbed all the way up to yokozuna ranking.
(新和英大辞典)
あまた
[数多・許多]
・彼らはあまたの困難を乗り越えてついにそのダムを完成させた
After overcoming a good [great] many difficulties, they have finally completed the dam.
《◆ a good [great] many は many よりも数の多さを強調; good よりも great の方がより強意的》
(ジーニアス和英辞典)
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