いざ鎌倉(かまくら)
さあ一大事が起こった、の意。
中世鎌倉幕府の頃、大事件が起これば諸国の武士が鎌倉に招集されたところからいう。
直接の出典としては、謡曲「鉢の木」で、佐野源左衛門常世が、宿を貸した回国の僧、実は執権北条時頼に向かって語る、「自然鎌倉に御大事あらば、〈略〉一番に馳せ参じ着到に付き」ということばが考えられる。
・謡曲:
ようきょく
・鉢木:
はちのき
・佐野 源左衛門 常世:
さの げんざえもん つねよ
・回国:
かいこく(廻国)
・執権:
しっけん
・北条 時頼:
ほうじょう ときより
・御大事:
おだいじ
・馳せ 参じ:
はせ さんじ
・着到:
ちゃくとう
(美しい日本語の辞典)
▷ 角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 5 いざ、鎌倉
いざかまくら【いざ鎌倉】
[使い方]
さあ大変だの気持ちを込めて、一大事や万一の場合のことをいう。
「いざ鎌倉というときは、すぐに知らせてくれ」
「大事件勃発(ぼっぱつ)の報を受けて、いざ鎌倉と駆けつけた」
「いざ鎌倉(というとき)に備えて、万全の策を練っておこう」
◆ 鎌倉幕府に一大事が起こると、諸国の武士は即座に鎌倉へ招集された。武士は「いざ鎌倉」と、押っ取り刀で馳(は)せ参じなくてはならない。
・押っ取り 刀:
おっとり がたな
(明鏡 ことわざ聖句使い方辞典)
[慣]いざ鎌倉(かまくら)
さあ一大事が起こった、の意。中世鎌倉幕府の頃、大事件が起これば諸国の武士が鎌倉に招集されたところからいう。
*滑稽本・七偏人(1857-63)二
「是でもいざ鎌倉(カマクラ)といふ時じたばたと跂(はね)まはる役に立(たた)うか」
・滑稽本:
こっけいぼん
・七偏人:
しちへんじん
(精選版 日本国語大辞典)
◇ いざ鎌倉
〔一大事が起こった場合〕
in case of emergency
〔いよいよ行動を起こす時〕
when the time comes
・いざ鎌倉という時、彼はきっと役に立つ人間です。
He's someone you're sure to find 「useful [helpful] when you're in serious trouble.
・いざ鎌倉に備えて国会議員は常に地元の利益を優先させる。
In the lead-up to an election, Diet menbers always put the interests of their constituents first.
(新和英大辞典)
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