いかばかり
どれほど。どんなにか。いったいどのくらい。
*竹取物語 〔9C末〜10C初〕
「おほくの人の身をいたづらになしてあはざなる〔=大勢の男の身をだめにして、それでも結婚しない〕かくやひめは、いかばかりの女ぞ」
▷ まんがで読む 竹取物語・宇治拾遺物語
*多情多恨 〔1896〕 〈尾崎紅葉〉 後・一一
「其胸の切なさは幾許(いかばかり)かと思遣っては」
・多情 多恨:
たじょう たこん
▷ 多情多恨
(美しい日本語の辞典)
いか-ばかり 【如何許り】
〘副〙
① どれほど。どれくらい。万葉集(5)「いかばかり恋(こほ)しくありけむ松浦佐用姫(まつらさよひめ)」
② どれほどか。非常に。蜻蛉日記(中)「いかばかりうらさびしかるよの中を」
・蜻蛉 日記:
かげろう にっき
(広辞苑)
いかばかり
(→どれほど)
・悲しみはいかばかりかとお察しします。
I can only imagine how unbearable your grief is.
(ジーニアス和英辞典)
いかばかり 【如何ばかり】
・彼女の悲しみはいかばかりであろうか。
I can imagine just how sad she is.
(ウィズダム和英辞典)
2020-08-30
2020-08-23
「雷雲(いかずちぐも)」の意味
雷雲(いかずちぐも)
雷光、雷鳴、時には雷雨も伴う雲。
*赤光 〔1913〕 〈斎藤茂吉〉 雲
「岩根ふみ 天路をのぼる 脚底ゆ いかづちぐもの 湧き巻きのぼる」
・赤光:
しゃっこう
・斎藤 茂吉:
さいとう もきち
・天路:
あまじ
(美しい日本語の辞典)
▷ 赤光 (新潮文庫)
しゃっこう 【赤光】 シヤククワウ
斎藤茂吉の第1歌集。1913年(大正2)刊。近代的な抒情を緊密な調べに盛って、画期的な歌集といわれる。
・抒情:
じょじょう
(広辞苑)
雷光、雷鳴、時には雷雨も伴う雲。
*赤光 〔1913〕 〈斎藤茂吉〉 雲
「岩根ふみ 天路をのぼる 脚底ゆ いかづちぐもの 湧き巻きのぼる」
・赤光:
しゃっこう
・斎藤 茂吉:
さいとう もきち
・天路:
あまじ
(美しい日本語の辞典)
▷ 赤光 (新潮文庫)
しゃっこう 【赤光】 シヤククワウ
斎藤茂吉の第1歌集。1913年(大正2)刊。近代的な抒情を緊密な調べに盛って、画期的な歌集といわれる。
・抒情:
じょじょう
(広辞苑)
2020-08-16
「いかがわしい」の意味
いかがわしい
疑問に思われるさま。疑わしく、正体がはっきりしないさま。また、下品であったり、道徳上、風紀上好ましくないさまにもいう。
*文学の根本問題 〔1958 〜 59〕 〈中島健蔵〉 五
「文学作品の中に、固定した理想型のような人物があらわれるや否や、読者は、いかがわしく、キナくさい作為をかぎ出してしまう」
*新西洋事情 〔1975〕 〈深田祐介〉 日本「業者思想」欧州に死す
「そこはいかがわしいクラブになっていて、壮年男性の巨大な尻と正面衝突しそうになった」
(美しい日本語の辞典)
▷ 新西洋事情
いかが-わし・い 【如何わしい】 ‥ハシイ
〘形〙
[文] いかがは・し(シク)
① 正体がはっきりしない。疑わしい。怪しい。信用ができない。「いかがわし・い人物」
② 風紀上よろしくない。好ましくない。「いかがわし・い絵」
(広辞苑)
いかがわしい
① [信用できない]
questionable;
〘怪しげな〙
doubtful [限定], dubious;
〘疑念を起こさせる〙
suspicious;
〘不正な〙
shady
・いかがわしい薬
questionable medicine
・いかがわしい人物
a suspicious [doubtful] person
・いかがわしい取引
a shady deal
・その話はどうもいかがわしい。
The story is questionable [doubtful, suspicious].
② [道徳的に好ましくない]
〘わいせつな〙
obscene, dirty, indecent;
〘不正にかかわる〙
seedy
・いかがわしい本
「a dirty [an obscene] book
・いかがわしい写真
a dirty picture
・いかがわしい場所に出入りする
go to a seedy place frequently
(ジーニアス和英辞典)
いかがわしい
●いかがわしい(=怪しげな)人物
a suspicious [〘話〙 a shady, 〘やや書〙 a dubious] character
●いかがわしい(=問題となる)行動
questionable conduct
●いかがわしい(=わいせつな)本
a dirty [an obscene, an indecent] book
・うわさでは彼にはいかがわしい過去がある。
They say he has a past [a skelton in the closet]. (後の慣用句は家庭内のことに限らず、表に出したくないすべてのことに使える)
(ウィズダム和英辞典)
Dialing for dollars ▶ いかがわしい勧誘
投資資金をもつ人を見つけようとブローカーが電話勧誘 (cold calling) すること。軽蔑的な意味合いの表現。
もぐりの証券会社 (boiler room) が投機的安物株 (penny stock) など投機性の高い商品や詐欺まがいの商品を販売するような行為を指す。
(バロンズ金融用語辞典)
疑問に思われるさま。疑わしく、正体がはっきりしないさま。また、下品であったり、道徳上、風紀上好ましくないさまにもいう。
*文学の根本問題 〔1958 〜 59〕 〈中島健蔵〉 五
「文学作品の中に、固定した理想型のような人物があらわれるや否や、読者は、いかがわしく、キナくさい作為をかぎ出してしまう」
*新西洋事情 〔1975〕 〈深田祐介〉 日本「業者思想」欧州に死す
「そこはいかがわしいクラブになっていて、壮年男性の巨大な尻と正面衝突しそうになった」
(美しい日本語の辞典)
▷ 新西洋事情
いかが-わし・い 【如何わしい】 ‥ハシイ
〘形〙
[文] いかがは・し(シク)
① 正体がはっきりしない。疑わしい。怪しい。信用ができない。「いかがわし・い人物」
② 風紀上よろしくない。好ましくない。「いかがわし・い絵」
(広辞苑)
いかがわしい
① [信用できない]
questionable;
〘怪しげな〙
doubtful [限定], dubious;
〘疑念を起こさせる〙
suspicious;
〘不正な〙
shady
・いかがわしい薬
questionable medicine
・いかがわしい人物
a suspicious [doubtful] person
・いかがわしい取引
a shady deal
・その話はどうもいかがわしい。
The story is questionable [doubtful, suspicious].
② [道徳的に好ましくない]
〘わいせつな〙
obscene, dirty, indecent;
〘不正にかかわる〙
seedy
・いかがわしい本
「a dirty [an obscene] book
・いかがわしい写真
a dirty picture
・いかがわしい場所に出入りする
go to a seedy place frequently
(ジーニアス和英辞典)
いかがわしい
●いかがわしい(=怪しげな)人物
a suspicious [〘話〙 a shady, 〘やや書〙 a dubious] character
●いかがわしい(=問題となる)行動
questionable conduct
●いかがわしい(=わいせつな)本
a dirty [an obscene, an indecent] book
・うわさでは彼にはいかがわしい過去がある。
They say he has a past [a skelton in the closet]. (後の慣用句は家庭内のことに限らず、表に出したくないすべてのことに使える)
(ウィズダム和英辞典)
Dialing for dollars ▶ いかがわしい勧誘
投資資金をもつ人を見つけようとブローカーが電話勧誘 (cold calling) すること。軽蔑的な意味合いの表現。
もぐりの証券会社 (boiler room) が投機的安物株 (penny stock) など投機性の高い商品や詐欺まがいの商品を販売するような行為を指す。
(バロンズ金融用語辞典)
2020-08-09
「家風(いえかぜ)」の意味
家風(いえかぜ)
自分の家の方から吹いて来る風。
(美しい日本語の辞典)
いえ-かぜ イヘ‥ 【家風】
〘名〙
[1] 自分の家の方から吹いて来る風。
*万葉 (8C後) 二〇・四三五三
「伊倍加是(イヘカゼ)は 日に日に吹けど 我妹子(わぎもこ)が 家言(いへごと)持ちて くる人も無し」
▷ 万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
[2] (「かふう」の訓読み)
家の伝統。家の風。また、家の威風。
*浮世草子・武家義理物語 (1688) 三
「隼人(はやと)が 家風(イヘかぜ) をふかせける」
▷ 武家義理物語
(精選版 日本国語大辞典)
いえ-かぜ 【家風】 イヘ‥
① 故郷の家の方から吹いて来る風。
万葉集(20)「家風 は日に日に吹けど」
② (家風(かふう)の訓読)→「いえのかぜ」に同じ。
いえ-の-かぜ 【家の風】 イヘ‥
(「家風(かふう)」の訓読)
家に代々伝えられたならわし、または業。
拾遺和歌集(雑)「家風 をも吹かせてしがな」
(広辞苑)
自分の家の方から吹いて来る風。
(美しい日本語の辞典)
いえ-かぜ イヘ‥ 【家風】
〘名〙
[1] 自分の家の方から吹いて来る風。
*万葉 (8C後) 二〇・四三五三
「伊倍加是(イヘカゼ)は 日に日に吹けど 我妹子(わぎもこ)が 家言(いへごと)持ちて くる人も無し」
▷ 万葉集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
[2] (「かふう」の訓読み)
家の伝統。家の風。また、家の威風。
*浮世草子・武家義理物語 (1688) 三
「隼人(はやと)が 家風(イヘかぜ) をふかせける」
▷ 武家義理物語
(精選版 日本国語大辞典)
いえ-かぜ 【家風】 イヘ‥
① 故郷の家の方から吹いて来る風。
万葉集(20)「家風 は日に日に吹けど」
② (家風(かふう)の訓読)→「いえのかぜ」に同じ。
いえ-の-かぜ 【家の風】 イヘ‥
(「家風(かふう)」の訓読)
家に代々伝えられたならわし、または業。
拾遺和歌集(雑)「家風 をも吹かせてしがな」
(広辞苑)
2020-08-02
「許嫁(いいなずけ)」の意味
許嫁(いいなずけ)
親同士の意見で、幼い時から婚約している男女。また、夫あるいは妻になると決まった人。婚約者。フィアンセ。
「いいなずけは国を隔てても悋気(りんき)する」とは、許嫁は相手を将来の配偶者だと思っているから、遠い他国にいる相手にも嫉妬するものだの意。
*俳諧・鷹筑波 〔1638〕 二
「をし鴨の めをとや池の いひ名付 〈久重〉」
・ 鷹筑波:
たかつくば
(美しい日本語の辞典)
▷ 俳諧の詩学
いい-なずけ 【許嫁】 イヒナヅケ
(「言い名付け」の意)
双方の親の合意で幼少の時から婚約を結んでおくこと。また、その当人同士。広く婚約者をもいう。
(広辞苑)
いいなずけ 【許婚、許嫁】
〘幼い時から親同士が決めた婚約者〙
the man and woman whose parets on both sides have chosen for marriage since their childhood;
〘男性の婚約者〙
fiancé;
〘女性の婚約者〙
fiancée
・彼にはいいなずけがいる。
He has a fiancée.
・彼女は親が決めたいいなずけと結婚した。
She got married to a man her parents had chosen for her.
(ジーニアス和英辞典)
いいなずけ 【許婚】
(男性) one's fiancé;
(女性) one's fiancée.
これらの語には「親の定めた相手」の意はない。
(ウィズダム和英辞典)
いいなずけ 【許婚】
(男) one's fiancé;
(女) one's fiancée
・彼女にはもういいなずけがいるんだそうだ。
I hear she is already engaged (to somebody).
(オーレックス和英辞典)
親同士の意見で、幼い時から婚約している男女。また、夫あるいは妻になると決まった人。婚約者。フィアンセ。
「いいなずけは国を隔てても悋気(りんき)する」とは、許嫁は相手を将来の配偶者だと思っているから、遠い他国にいる相手にも嫉妬するものだの意。
*俳諧・鷹筑波 〔1638〕 二
「をし鴨の めをとや池の いひ名付 〈久重〉」
・ 鷹筑波:
たかつくば
(美しい日本語の辞典)
▷ 俳諧の詩学
いい-なずけ 【許嫁】 イヒナヅケ
(「言い名付け」の意)
双方の親の合意で幼少の時から婚約を結んでおくこと。また、その当人同士。広く婚約者をもいう。
(広辞苑)
いいなずけ 【許婚、許嫁】
〘幼い時から親同士が決めた婚約者〙
the man and woman whose parets on both sides have chosen for marriage since their childhood;
〘男性の婚約者〙
fiancé;
〘女性の婚約者〙
fiancée
・彼にはいいなずけがいる。
He has a fiancée.
・彼女は親が決めたいいなずけと結婚した。
She got married to a man her parents had chosen for her.
(ジーニアス和英辞典)
いいなずけ 【許婚】
(男性) one's fiancé;
(女性) one's fiancée.
これらの語には「親の定めた相手」の意はない。
(ウィズダム和英辞典)
いいなずけ 【許婚】
(男) one's fiancé;
(女) one's fiancée
・彼女にはもういいなずけがいるんだそうだ。
I hear she is already engaged (to somebody).
(オーレックス和英辞典)
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