安堵(あんど)
心の落ち着くこと。安心すること。
また、中世、幕府や戦国大名が御家人・家臣の所領の領有を承認すること。特に、親から受けついだ所領の承認を本領安堵という。
「堵」は垣の意で、本来、垣の内に安じて居ること、土地に安心して住むことをいった。
(美しい日本語の辞典)
あん-ど 【安堵】
(堵(かき)の中に安んずるの意)
① 居所に安住すること。
古今著聞集(12)
「それより八幡にも 安堵 せずなりて」
・古今 著聞集:
ここん ちょもんじゅう
▷ 古今著聞集 ほか
② 安心すること。
保元物語(金刀比羅本)
「心少し 安堵 して、さりげなくもてなし」
「ほっと 安堵 する」
・保元 物語:
ほうげん ものがたり
・金刀比羅:
ことひら
▷ 流布本 保元物語 平治物語
③ 鎌倉〜江戸時代、幕府・領主などが支配下の武家・社寺の所領の知行(ちぎょう)を保証し、承認すること。旧知行地をそのまま賜ること。
太平記(11)
「所領の一所をも 安堵 せばやと思ひければ」
「本領を 安堵 する」
▷ 大河ドラマ 太平記 完全版 第壱集
(広辞苑)
あんど 【安堵】
relief [しばしば a 〜]
・彼女はほっと安堵のため息をついた。
She gave [breathed] a sigh of relief.
・彼の顔に安堵の色が浮かんでいた。
There were signs of relief on his face.
・彼の無事を聞いて安堵した。
We were relieved 「to hear [at the news] that he was safe.
(ジーニアス和英辞典)
あんど 【安堵】
[名] (a) relief
・安堵の胸をなでおろす
breathe [give] a sight of relief
-安堵する
[動]
・その知らせを聞いて安堵する
be [feel] relieved at the news (→安心する)
(ウィズダム和英辞典)
人気の投稿(全期間)
-
「なる」 の改まった言い方。 「あい」 は接頭語。 「いかが 相成り ましょうか」 「五万円に 相成り ます」 「いたくお世話に 相成り ました」 など、改まった場での物言いとなる。 (美しい日本語の辞典) ▷ 美しい日本語の辞典 「な...
-
あたりきしゃりきくるまひき 「あたりまえ(当前)」をしゃれていう。近世以後、職人などが用いるぞんざいな語。「しゃりき」は「車力」、すなわち荷車ひきの意か。「りき」の音を繰り返して語呂(ごろ)をよくするために添えた語。 「あたりき、しゃりき、けつの穴ばりき」とも、「けつの穴...
-
あしらう 「あしえらう」の変化した語。応対すること。 現在では、「冷たくあしらう」「鼻であしらう」などの言い方で、いいかげんに他を待遇するの意を表すことが多い。 また、景物、料理、装飾などで、物を取り合わせる、配合する意を表す。 多情多恨〔1896〕〈尾崎紅葉〉後...
-
あこがれる もとは「あくがる」で、本来いるべき場所を離れてさまようことをいった。 転じて、心が対象にひかれてさまよい出て行くような感じ、すなわち、何かに心がひかれて思いこがれることをいうようになった。 「 あこがれ の的」といえば、理想として思いを寄せる対象のこと。 ...
-
徒桜(あだざくら) はかなく散る桜。また、はかないもののたとえ。 親鸞聖人の歌とされる「あすありと 思ふ心の あだ桜(ざくら) 夜は嵐の 吹かぬものかは」が有名。 桜はあだな(かりそめではかない)もので今日咲いても明日はもう散っているかもしれない、という発想は古く、...